---01年6月23日にこの欄に投稿した「おばさん霊のゆくえ」のつづきです。---
田中真紀子氏がついに外務大臣を更迭された。ご本人はくやしかったようだが、いろいろ云うのは愚痴のようにしか聞こえない。しかし、そのおばさん霊はボクの予想に反して、まだまだ落ちていないようだ。同情票と小泉首相への失望が集まってむしろ強くなっている。
だが、彼女の政治的手法は、小泉首相にも増して、権力的であり、それが必要と思われるときでも、彼女に魅かれている普通の人びとと協力してやろうとはしなかった。彼女が庶民の支持の上にたった、民主主義をもたらす政治家でないことははっきりしたように思う。
彼女に憑いたおばさん霊の強さからいって、彼女が小泉首相に代って今後権力を手にする可能性はあるが、その権力は、庶民の幻想と、支配層の危機感からの期待に基づくものにしかならず、その時にはもっと、権威主義的な政治をするだろう。
ソ連社会主義と日本型独占資本主義を同一視するわけにはいかないが、小泉首相をゴルバチョフに、田中真紀子氏をエリツィンになぞらえる一部評者の予想はおそらくは正しいと考える。ゴルバチョフのもとでのエリツィンの急進左派ぶりや民主主義のふりが自分の権力欲の偽装であったように。