辻元清美さんの秘書問題に関する疑惑が広がっている。私はこう考えている。野党特に日本共産党が、対応を見誤るなら、鈴木宗男議員追及と政界激震は、全く様相を異にして自民党など与党を勢いづかせて、3月31日の横浜市長選を皮切りに京都府知事選、新潟県知事選と全敗してしまうだろうと。
公安スパイを疑われてからなかず飛ばずの宮崎学氏は「金権まみれの民主主義」と「清潔なファシズム」という対概念をもち、概要次のような意見をHPで述べている。
それは、有り余るかねを持つ政権与党に比して、社民党は貧乏所帯である。秘書の2、3人を仮に騙して党活動に金をまわしたところで、それが決定的な大問題だろうか、と。
あるテレビの朝のニュース・コメンテーターは、参考人招致、証人喚問ときて偽証の可能性大とする、それゆえに告発というのならば、まだわかる。
しかし、3月23日現在、自民党は外務省問題から始まる鈴木宗男議員追及で守勢にたっていた不利な立場から一転して、野党の足並みの乱れと動揺を突いてきた。
日本共産党志位委員長は、記者会見で社民党は、「国民が納得のいく説明を」と言い出した。志位委員長の発言は正しいし、当然である。けれども、高度に政治的なこの状況下での共産党の姿勢は、土井護憲党にとって助け船では、ない。
刑事告発の手順から言っても、政治的状況から言っても、与党の特に自民党の追及は、社民党になにを求めているか?
辻元議員がピースボート以来意欲的に市民運動で培ってかたものの意義は大きい。
他の野党に比べ共産党は、社民党に政治的にも近い。秘書問題が万一ダーテ-イーだったとしても、それが日本の針路を決定的に過たせるものではない。
しかし、国会で社民党や共産党が孤立したら、綺麗に舗装された高速道路を戦車が走り、徴兵制度により国民は決定的に国も滅亡さえ招きかねない。
辻元議員の秘書問題は、簡単なことではなく、重要な政治腐敗問題ということも的外れではあるまい。はじめの宮崎氏に戻れば、政治腐敗を批判する庶民も身綺麗であるべきか?
私は秘書費用の不明朗さがあっても全く問題はないと言おう。身綺麗でなくとも、庶民は経済政策のグローバリズムにより大量の失業者がでているもとで、政府批判の運動が早晩広範なものとして巻き起こるだろう。その先制パンチなのだ。政府は、高度な情報の一元的な管理を手中に収めつつある。
肝に銘ずべきはかくあるシステム下で、誰でも多少の後ろめたさをもっていることまでは、すべて政府が掌握可能な段階まできている、ということだ。
そこを意識しているか、局面は岐路にある。