この不況からの脱出は、国を挙げての取り組みにも拘わらず、なかなか進みません。問題となっている不良債権処理ですが、システムの構造そのものに寄因しているので、ここを改革しないと改革は難しいのではと思います。
改革が進みにくいのは日本の経済社会構造そのものであり、複雑に絡みあっているからかと思います。公的規制という観点で言えば、米国等に比べ日本は非常に社会主義国のレベルです。誰でも既得権は失いたくない気持ちが強いですから、ほとんどの人が、改革には総論賛成、各論反対になります。わが国が直面している構造改革の推進を、非常に難しくしている点はここかと思います。
このまま何も改革出来ないと、日本はズルズルと没落に向かうことになります。その為には、既得権を廃止し、合意が形成出来る土台を作り、国民にビジョンを提示し、国民も時代の大きな変革期であるとの認識で改革を理解し進める必要があります。
これは厳しい話ではあると思います。只、一部の人たちの不利益にこだわり過ぎては改革が進みません。かといって改革によって生じる社会的弱者になる人たちへの配慮を欠いてはなりません。改革が全ての人たちにとって良い物となるために弱者の立場が他の誰かによってフォローされなければなりません。この役割は日本の革新政党は果たしてきたと言えます。社会の中で不可欠の存在と思いますが、今後もその役割は固定かというとそうではないと思います。