昨今、日本の競争経済化が加速しておりますが、これは、人間を「組織の役に立つか、立たないか」で選別する風潮であり、きわめて危険だと感じています。いわゆる「健常者」ですら、能力を測られ、要・不要を審査され、捨てられるまでは働いて、捨てられたらホームレスになったり自殺したりするようになったいまの日本社会で、どうして「障害者」や老人・子供・女性が尊重されたり、福祉が発達したりするわけがあるのでしょうか? いま、日本が陥りつつあるのは、「反福祉国家」であると考えます。従って、福祉のためを思うなら、日本の競争経済化を止めなくてはならないと思います。いまのアメリカ型競争経済は、旧来の日本型経済を克服するために導入しているものですが、一方、ヨーロッパでは、より福祉や、環境やゆとりを重視した共存型の経済システムが模索されており、日本が追随すべきはこちらではないのか?と提案いたします。
日本の競争経済化による、「経済内戦」状態を止められないかぎり、日本の福祉状況は、いくらでも悪化はするでしょうが、好転するはずがないと考えます。