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「現状分析と対抗戦略」討論欄

日本の現状と課題 その6 ・・・平等と競争・・・

2003/4/16 結城克也、40代、会社員

 今年度の中国人新入社員は「日本の方がはるかに中国より社会主義ですね。」と言ったが経済のグローバル化は、日本の総中産階級意識を切り崩していくかもしれない。今後日本が、どのようなイメージの国造りをめざそうとするのか国民合意の形成が必要だ。

 日本は誰もが高級官僚や会社に入れば社長になれる可能性があるので、競争がずーと続く。イギリスでは階級というのがハッキリしていて,出身の階級により職業の選択が限られる。ミドルクラスに生まれた子供は,私立のお金のかかるボーディングスクールで学び,大学に行き,知的な仕事に就く。階級によって住む場所や教育、仕事も違うためおのずと行動範囲も志向も異なってくる。学費の高いオックスフォードとケンブリッジ大学に労働者階級の子息が行くことはありえず、日本のように,貧乏も金持ちも地域や学校や会社などで混ざることはない。

 ドイツは日本と同じく6歳から義務教育が始まり修業年限も9年間であるが、4年経てば、職業コースの学校か進学コースの学校かの大きな決断を迫られ、日本で言えば小学生高学年で選択する必要がある。よって大学入試も日本みたいに激しくない。それまでに選別が済んでいるからだ。平等志向の日本と階級意識が支えるドイツの社会構造の違いである。これは日本ではそぐわないと思うがどうだろうか?