日本共産党創立81周年記念講演の中で不破議長が言っているが中国の1人あたり国民総生産は日本のそれと比較して40分の1だそうです。分配を別にして日本人は中国人の40倍金持ちです。
上海の労働者の賃金は日本の労働者の賃金の12から15分の1。日本の労働者が2日働く賃金で中国人労働者は生きています。もしも日本の労働者の平均賃金10分の1ならばで日本の資本家はわざわざ中国に生産を移しません。90年以降の不況は立ち直る気配もなくこのまま世界恐慌に入っていくかも知れません。日本の生産力がいくら高かろうとものが売れないのでどんどん工場が倒産していきます。無計画生産の資本主義の宿命なのです。資本主義のある限り恐慌は避けることはできません。
仕事をしようにも仕事がない。本当に苦しい世の中になりました。企業はそうなればなんとしても生き延びるために低賃金の国々に生産を移して競争に勝ち残ろうとします。これが資本主義の本質です。同じ商品が国内で生産した物の10分の1で作れる。こんなにぼろいことはない。しかし他の企業も競ってそうするとそんなにぼろくもなくなるし国内の生産が空洞化し、労働者の購買力が落ちて、どんなに安くしても物が売れなくなる。実際私の今掛けている老眼鏡は100円スーパーで買ったもので、同じ度数の国産の老眼は20000円です。100円の老眼鏡は少々品物が落ちるにしても日本のものを一個買うくらいなら100円スーパーで100こ買えるわけです。だがいつ行っても100円ならば3個くらいあれば十分です。
私が心配するのは日本の労働者がアジア人、中国人労働者に仕事を奪われるからと彼らを憎むことです。あいつらのために、俺たちがあぶれるのだと。わたしは日本にファシズムが支配する土壌はこのようなところにあると危惧していました。小泉が圧倒的な支持で政権を握った背景はそこにあると思います。石原慎太郎のは明らかにファシストだが東京都知事として圧倒的な支持があります。何が彼の人気を支えているかといえば中国人や朝鮮人を「三国人」と差別し、不逞外国人と犯罪者のようにいい、朝鮮中国への侵略戦争をけしかける発言を平気でするところにあると思います。日本の労働者が失業したり、リストラにおびえたり、するとき非常に危険なのは排外主義に捕らえられることです。
中国人に仕事を奪われる、なるほどそうかもしれません。しかしよく考えてみると設備投資をして最新の機械で物を生産するよりも安上がりで、汗水たらして手作業で働くし、いつでも工場を移転したりできるし、簡単に首切りをしたり、雇用保険もなく、健康保険もなく退職金も、ボーナスも、昇給もなくてすむ、劣悪な条件で働かせられるのが中国人労働者、アジア人労働者です。言いかえれば賃金奴隷そのものでしょう。日本が世界第2位の経済力をもつ帝国主義でありうるのは、アジア諸国の労働力と資源の搾取と略奪によっているからであって、これは寄生性でもあります。アジアから見ても日本から見ても双方の経済はリンクされていたのですが、日本共産党はその帝国主義的存在を強化しアメリカ帝国主義と対抗させる主張でしかない『アジアを円圏にせよ』。つまりドルをアジアから追い出せといっていました。これは日本独占資本と一脈通じお先棒を担ぐしゅいちょうでしょう。もっというならば日本をあじあの盟主にせよという大東亜共栄圏の思想です。
ところでそれでは西側やアメリカ、日本が中国に生産を移したから中国は世界を脅かすほどの経済力を持つかといえばそうはなりません.中国の開放政策はトショウヘイが政権を握ってから続くのですがそれは外国資本を導入し国営企業を資本主義的に経営させ、農村の人民公社をなくし農産物を商品世界に放り込む、という社会主義を解体するものです。
中国の全輸出のうち50%以上が外資系の企業によるものであり全工業生産の3分の1が外資系によるものです。いいですか、中国政府指導者は帝国主義諸国に自国経済を売り渡しているのです。すでに中国は植民地支配に入っていると判断できないでしょうか。
国営企業の資本主義的経営は労働者をものすごい数であぶれさせ農産物の商品化は低い生産性のためにアメリカの農産物の輸入に太刀打ちできないでしょう。農村から都市に向かう農民は最小で5000万人、最大で見積もって8000万人です。国有企業改革で失業する労働者が300万から400万人。20%といわれています。
また都市と農村の所得格差は拡大する一方です。1人あたりの国内総生産額 上海 35000元 北京 23000元 貴州 2700元 広西 4300元
こうしてみれば中国に階級対立があって当然ですし、農村部と都市の対立も深刻にならでしょう。そして外資、帝国主義諸国資本と中国人労働者の対立も必然的です。非常に機器がはらんでいます。だから生産を移すといっても重工業や先端工業は移さないのです。
また生産工程の1部分もうからない部分を中国の人力で生産し、付加価値の高い部分を国内生産します。そのために日本の下請け企業を切ってしまいます。資本家に人情などはありません。
また帝国主義と結びつく政府官僚、外国企業から賄賂をもらう官僚が中国人民の敵となるのは当然でしょう。彼らが不正であればあるほど人民に対する支配は徹底します。
89年天安門事件は中国官僚支配に反対し民主化を求める学生労働者が連日100万人もが天安門に集まったのですが人民軍に弾圧されて敗北しました。その後天安門にかかわった学生や労働者が捕らえられ片っ端から処刑されました。現中国指導者はトショウヘイの流れを引く血塗られた指導者なのであるが,不破議長は彼らと社会主義を放棄することにおいて通じるものがあり、中国共産党を高く評価しています。
中国に生産を移せば中国人が潤うとのように言う結城さんのご意見にはなんだか中国人を見下しているようでよろしくないとおもいます。問題は中国でしのぎを削る西欧、日本、アメリカ帝国主義が中国植民地再分割の侵略戦争に向かっていくことであり、朝鮮戦争はその前哨戦と考えられることです。
そのように考え中国人労働者、朝鮮人労働者、アジア労働者そして日本労働者が手を取り合いともに帝国主義と戦うことが大事だと思います。
「労働者階級に祖国はない,万国の労働者団結せよ」
マルクスが言ったこの言葉が今もなお新鮮です。