獏B様の「無計画生産の資本主義の宿命なのです。資本主義のある限り恐慌は避けることはできません。」に対する返答は難しいテーマです。
資本主義では私有財産が認められ、人は自由に職業を選択し、創意工夫して仕事(商売)に取り組みます。マルクスは、資本主義は少数のブルジョアジーと、搾取される大多数の極貧プロレタリアート(労働者)を生み、資本階級と労働階級の利益は相反するものであり、利益の分配で資本家は、労働者に最低賃金しか払わないはずであるから、資本主義は労働者に不利であり、この状況を改善をするには、労働者が資本を支配し利益の分配を平等化する必要があるとしました。マルクスは「資本主義の後には社会主義が来る」と言いました。しかし実際には共産圏の国が崩壊し、資本主義は今日まで続いています。
これは何故か? 理由は色々あると思いますが、上記の観点から言うと、当時と現在では労働の質が異なっていることがあるかと。マルクスが生きた時代は鉱山や工場労働者が大多数で謂わば単純労働でしたが、現在は、高度な知能労働も必要で、このような労働者は、高等教育を受けている必要があり、能力も高く、労働者の中から経営者になる人が出てきます。
日本でも、多くの会社がサラリーマン社長、労働者の社長です。戦後の財閥解体後、徐々に社員株主や他の会社からの投資を入れ資本家の支配から脱していったのです。私の勤務する工場も全ての人がサラリーマンです。社長は出来るだけ社員の給料を上げるように努力していますし、何より社会に価値を与えたいと必死です。これが今の日本の姿ではないでしょうか?
社会主義では私的企業の競争、経済的発展における無計画性はありません。生産手段と労働力を計画的に配分し、経済的発展は中央政府により計画的に遂行されます。そのため景気変動や失業はありません。この前提は労働者にとっての最適な規格が存在しそれを計画的に生産することにあります。
最近は生産は多品種少量になり、小企業が返って差別化製品を生み出す等時代は大きく変わっています。現在、企業の生産計画というのは非常に精緻なものでして、売れるものだけを生産する形にはなっています。
第一次大戦以降は、そうではなかったと思います。産業革命以降は、発明された蒸気機関等の動力を使い、効率よく同じものを大量に生産することが企業のスタンスだったと思います。しかし消費がそんなに伸びない。そんなことの集積が1929年の世界大恐慌になって表れたと思います。第2次大戦以降も、恐慌がくると思う経済学者が多かったと聞いたことありますが、何故来なかったのか? それは又今度