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「現状分析と対抗戦略」討論欄

日本の現状と課題 その18・・・土建国家・・・

2003/11/16 結城克也、40代、工場労働者

 私の出身地は寒村で農業は小規模でそれだけでは生活が苦しいので、私が小中学生のころ農作業が無い冬は近所誘い合わせて村にある土木工事の日雇いに行っていました。町内に小さい土建屋がかなりあり、仕事もたくさんあり冬中働いている人もいました。何せ夏の農繁期には失業保険をもらっているくらいでしたから。私の村にとっては大助かりの「公共事業」であった訳です。

 日本の近代化は、農村を土木事業で支えることによって達成されてきたと言えます。近代化プロセスの中ではインフラ整備の為の公共投資は必要であったと思います。名神高速道路や東名高速道路は必要な物流を確保し、産業の地方への分散を高めた点で大きな限界生産性を示したと思います。

 そして又、疲弊しがちな地方に公共投資を通じて雇用を確保し、富を分配する機能を果たしました。これにより地方の経済、雇用が都市部に大きく遅れることなく維持されてきました。このシステムがなかったら今の中国とまで行かないと思いますが都市部と農村で貧富の差がもっとあったかもしれません。

 しかし、長い間かけて作られてきた土建国家のシステムは、次第に腐食し一部の人間にしかメリットのない既得権益の温床になり、「リターンの無い投資」になっているのが現状ではないでしょうか。明治維新以降、欧米による植民地化の危機の中、対抗できる近在産業国家を作る上で公共事業は必要でしたが、「土建国家」は終わりを迎えつつあると思います。道路族を中心に政治を仕切っていく政治を止め、欧米に追いつけ追い越せが終わり、右肩上がりが終わった今、公共事業の創造的破壊が是が非でも必要だと思います。

 日本共産党も公共事業の削減を言われていますが、これに関わる役所も役人もまず減らさないと。組織は生き残りに向け動くから、ムダな公共投資もドンドン発案します。ただ建設業に従事している人は非常に多いので人員を含めたシフトが必要です。この具体案を提案して欲しい。