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「現状分析と対抗戦略」討論欄

あかつきさんへ、評論家Nさんへ

2004/1/19 原 仙作

あかつきさんへ
1、専守防衛派を護憲陣営に引き込むためには、「理論的に『専守防衛の自衛隊なら 護憲、海外派兵は違憲』という立場にならざるをえません。」と、あかつきさんは述 べています。  「理論的」にいえば、専守防衛派であろうが、海外派兵派であろうが、自衛隊の存 在それ自体が違憲なのです。ですから、「理論的」には、護憲派が自衛隊の存在を、 憲法上、承認する専守防衛派を取り込むことはできません。私が専守防衛派を護憲派 の陣営に取り込む(引き寄せる)というのは、「理論的」な問題としてではなく、 「運動上」の問題として言っているのです。
 どういうことかというと、改憲論を主導しているのは、自民党であり、彼らの提案 する改憲論が国民による賛否の軸に置かれることはまちがいないのです。その場合、 自民党の改憲論が憲法第9条に関する限り、専守防衛論ではなく、確実に海外派兵の 可能な改憲論になるはずなのです。したがって、国民は、このような自民党の改憲論 に賛成か反対かを問われることになるのです。この賛否にあたって、専守防衛派がど ういう態度をとるかが、一つの大きな問題となるわけです。
 具体例で考えてみると、たとえば、自衛隊員とその家族の場合をとると、専守防衛 の憲法改正には賛成だが、海外派兵はいやだということが十分あり得ることだと思う のです。専守防衛の自衛隊員とその家族は、自民党の改憲論に賛否の一票を投ずるこ とになるわけで、彼らに反対の一票を投じてもらえるような運動を護憲派が行うこと は可能だし、是非ともそうした運動を行わなければならないと思うわけです。
 もちろん、改憲論の国会上程を封ずるような国民的大運道を何とかしてつくり出さ なければならないことはいうまでもありません。憲法改悪をやめさせるためには、も う、総選挙で後退した社民や共産を運動の軸に置くようなことを考えていたのでは間 に合わないように思います。護憲派がアイデアを出し、早急に、できるところから連 帯の輪をつくり出していく地道な努力が必要なのだと思います。

評論家Nさんへ
 折に触れてのコメントをありがとうございます。
 おっしゃるとおり、あかつきさんに言われて考えてみると、苦しく、容易ならざる 事態に追い込まれていることを改めて実感しました。独断論の謗りを免れる闘い方は ありますまいか?