1、専守防衛派との同盟
当サイトの読者ならご存じのことと思いますが、去る1月28日、元郵政大臣の箕
輪登(79歳)氏が、自衛隊のイラク派遣は違憲・違法であるとして、イラク派遣差
し止め訴訟を札幌地裁に提訴しました。箕輪氏は現役時代は、防衛政務次官、自民党
国防部会副会長を歴任されており、自衛隊問題の専門家であり、もとより、必要最小
限の自衛力としての自衛隊を合憲とする専守防衛派です。
提訴の内容は当該のホームページを見ていただくとし
て、弁護団は次のように述べています。
「強調したいことは、自衛隊のイラク派兵反対の世論の中には、現自衛隊の合憲性、
自衛隊の国際協力活動の合憲性、米英のイラク武力侵攻の国際法上の合法性など多く
の基本的問題について見解の相違が存在するが、本訴訟は、これらの「大異」を留保
し今回のイラク派兵は憲法・自衛隊法違反だとする一致点=「大同」に基づいている
ことである。従って、様々な立場の方々が、多角的・多元的に、本訴訟に参加し、あ
るいは応援することが可能である。」(「自衛隊イラク派遣差止北海道訴訟」ホーム
ページより)
私は頑固な護憲論者なのですが、この主張に賛同し、箕輪氏の訴訟を支持したいと
思います。あかつきさんとの議論のなかで出てきた「専守防衛派との同盟」というこ
とになります。
2、「黄色いハンカチ」運動について
イラク派遣の主力となる陸上自衛隊の駐屯地・旭川では、商工会を中心に自衛隊員
の無事帰還を祈って、商店街に「黄色いハンカチ」を飾っているという情報をネット
上でみたのですが、「黄色いハンカチ」運動の発案者が誰であれ、この運動を「無事
帰還」のためだけの運動にしておいてはいけないと感じています。
話は少し古くなりますが、美濃部・革新都政の時代(1967年-1978年)に、
運動員や支持者たちが「東京に青い空を取り戻そう」というメッセージを込めて、小
さな青いバッジをつけて選挙活動をしていたことが想起されるからです。やはり、大
きな、国民的な広がりをもった運動には、それにふさわしい、様々な思いを込められ
る単純なシンボルが必要であり、また、実際に大きな国民的運動は、そうしたシンボ
ルを生み出してきます。
「黄色いハンカチ」を海外派兵派の祈願運動のシンボルに奪われ、小泉改憲論の旗印
にされる愚は避けなければなりません。
自衛隊員の無事を祈る心情に否定すべきものはなく、その心情を丸ごと掬いあげて、
無事を祈る心情を派兵反対論に合流させるシンボルとして、あるいはまた、専守防衛
派と護憲派の同盟の旗印として、「黄色いハンカチ」を押し立てる。そのためには、
国民的「英雄」・車寅次郎を生みだし、「幸せの黄色いハンカチ」という名の映画を
世に送り出した山田洋次監督にご足労を願う。そして、小泉改憲論が国会の日程に乗っ
てくる頃には、全国の団地やマンションのベランダに黄色いハンカチが満艦飾にひる
がえる、という青写真を私は夢想しているのです。