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「現状分析と対抗戦略」討論欄

今も持続する予研=感染研裁判を支援する第五回コンサート

2004/06/14 桜坂智史改め千坂史郎 50代

 6月12日、新宿の牛込箪笥区民ホールで「平和のためのコンサート」が開催され、多くの聴衆が集まった。昨年まで「予研=感染研小コンサート」として開催され続け、今年は名称も新たに「平和のためのコンサート」として開かれたものであり、5回目となる。

 このコンサートは、国立感染症研究所の移転と実験差し止めを求める訴訟を支援するためにスタートした。いまは亡き哲学者芝田進午さんが住民原告団代表として、早稲田大学に隣接する住宅密集地に移転を強行した現・国立予防衛生研究所の実験差し止めを求め、提訴した。
 東京地裁の判決は、芝田さんのガンによる急逝の直後、2001年3月27日だった。
 不当判決に憤った原告団は、芝田さん亡き後も継続して闘い、東京高裁判決は国側勝訴としながらも、「ひとたび病原体が外部に漏出すれば最悪の場面には回復が困難な甚大な被害が惹起される危険性があるから、あらゆる万全の施策が講じられなければならない」と厳重な注意を要請した。いま裁判は最高裁に上告され、原告団は111人を数えるという。

 この日のコンサートでは、芝田さんのご夫人芝田貞子さんも加わり、多くの音楽家の多彩な楽器の独奏や合唱により、おおいに盛り上がった。平和運動をおこなっているきくちゆみさんは、ご自身もフルート演奏を披露されたが、それに先立ち第一部で「平和な地球を子どもたちに」と題して、イラクでのアメリカ軍の戦争犯罪を糾弾する反戦運動はアメリカ国内でも何百万人という勢いで広がっていること、それは報道では抑制されインターネットにより世界中に広まっていることをDVDで紹介しつつ、その様子を自らが翻訳した書物やご自身の著作などでイラクでの虐殺の実情や世界的な反戦の運動を訴え、それへの連帯を呼びかけた。