投稿する トップページ ヘルプ

「現状分析と対抗戦略」討論欄

―参議院選挙について―

2004/07/01 愚等虫。40代

 原さん、こんにちは。
 いつも、詳細な分析を、有難うございます。

 参議院の議員定数は242。その半数の121議席が改選され、非改選議員と合わ せて、122議席を確保すれば、過半数ということになります。
 自公の非改選は79。野党の非改選42。よって、今回、野党が80以上取れば、 122議席となり、小泉自公連合は、大敗北ということですね。
 もちろん、これは、非改選が、前回(01年)の小泉旋風の下での結果ということ を考えてみただけでも、現実的ではないということは、言を俟ちません。

 前回、選挙区の投票結果は、自民が44、うち43人がトップ当選。民主18、公 明5、共産1、社民0、自由2、無所属3。
 また、自民は一人区(27選挙区)で、25勝2敗。他の野党が選挙協力した1人区 13選挙区でも、三重で敗れただけで、あとの1敗は岩手(自由)でした。

 このような、現実を見ると、原さんが仰っておられますように、

 > 以上の試算から明らかなように、共産による一人区全立候補がある現状の下で は、小泉政権に一泡吹かせることは非常にむずかしいことがわかる。一泡吹かせるに は、最低でも改選議席の過半数(61)以上を野党が獲得することが必要

であり、何とかして自民の圧倒的状況を切り崩さなければ、小泉自公連合に「一泡吹 かせる」ことも出来ず、与党が信任を得たとして、憲法改悪への布石が、また、一段 と打たれることになる、という事だと思います。

 そして、原さんの試算では、(4)の場合、野党協力と与党票10%の流入だけ で、野党65+(6)、与党56-(6)となる可能性がある、ということですね。
 あの読売の調査でも、いよいよ、小泉内閣の支持率は40・7%、不支持率は43 ・5%で、不支持率が支持率を上回ったそうです。(6/28)

 私は、「原さんに一票!」。ではなく、原さんの“案”に一票入れたいと思いま す。

 本来であれば、沖縄選挙区が、さまざまな問題を残しつつも、ブリッジ共闘という 形で、統一候補として一本化されたように、そのような方向で纏まればよいのです が、他の選挙区では、現実には、どちらも「ハードル」が高すぎて、折り合うことが 出来そうにありません。

 以前、原さんは、

> 日本共産党の全小選挙区立候補という選挙戦術は、即刻やめるべきである。この ままでは、小選挙区の基礎票も、党の意向に逆らって自主的な判断を下すようになる ことは確実である。つまり、基礎票の計算すらあてにできない時代がやってくるので あって、誤りを正す力がなければ、永遠に「今後に生きる」ほかなくなる事態が迫っ てきているのである。(03/12/24) 

と仰っておられました。

 私は、昨年の総選挙では、一応、綱領改定前であったこともあり、皆さんに、「党 の候補者への一票と中央への批判の一報」を、厚かましくも、お願い致しました。
 しかし、その後、さまざまな所で、とりわけ、党大会において、不破中央の、正当 な質問権行使に対するまともな説明責任も果たさないという態度を見るに至って、そ の非民主性と倫理観のなさに、怒りと絶望感で離党寸前にまで行きました。それで も、前回の投稿で述べましたように、編集部の方々の姿勢など、さまざまなことを考 えた末、取り敢えず、離党を踏みとどまる事にした次第です。ただ、いつ、どうなる かは、殆ど不確定です。

 従って、私は、今回は、とても、党外の皆さんに、前回のようなお願いは出来ませ んし、私自身も、「自主的判断」で行動しようと思っています。

 原さんは、また、

> つまり、一言で言えば、日本共産党の政治宣伝が真実ではあれ、多くの国民は耳 を傾ける現状にはないのです。それだからこそ、逆に、日本共産党は総選挙で示され た国民の願望に寄り添い、その実現を助け、国民が政治的経験を積むことを援助し、 その過程を通じて、共産党への理解と共感を得る道を採用するべきだと思うのです。 付け加えていえば、この道は、私の思うところでは、嫌われ者第1党を克服する自己 変革と不可分の関係にもあるのです。(04/1/10)

とも、仰っておられました。

 私は、今のままでは「自己改革」のできないどうしようもない「党」として、絶望 的に感じておりますが、もし変わり得るとすれば、やはり、「有権者の目」以外にな いと思っています。
 それは、まるで、三菱自動車に対する「消費者の目」と同様なものであるかのよう に…。
 この事と、原さんの仰っていた事は、通じるものだろうと思っています。
 そしてそれは、「身を捨ててこそ、浮かぶ瀬もあれ」という事なのだろうと考えて います。

***

 沖縄では、01年の参院選では、共産党が独自候補を立てたため、自民の西銘氏が 逃げ切りました。もちろん、共産党票を加えると勝っていた選挙でした。しかし、沖 縄という特殊事情のある県で、簡単に、安保条約に対する態度を曖昧にするようなこ とには、これまで基地撤去のために闘ってきた多くの支持者の皆さんの心情を察する に、簡単には引き下がれない問題でもあったと思います。

 私は、今回、問題を抱えつつも、土壇場で結束したことを、本当に嬉しく思ってい ます。そして、

 > 覚書は…安保政策については「米国追従の日米安保条約など、いかなる軍事同 盟にも反対」との立場を鮮明にした。
 > どちらかが譲歩したという主張でなく議論の末、一致点が結実した(大城一馬 社大党委員長代行) (沖縄タイムス・5/1

という方向で結論が出たことは、何よりでした。

 島袋氏の引退に伴い、後を継ぐ糸数氏と翁長氏の全くの一騎打ちとなりましたが、 「1+1=2」以上に、多くの県民・国民の支持を得られる事を願ってやみません。

 ところが、です。先日、公示にあたり、翁長氏の弁を読んでおりましたら、

> 日米安保や自衛隊は最高裁で合憲の判決が出ている。統治行為として自衛隊や日 米安保は堅持しないと、国民が守れないということを認識する必要がある。 (沖縄タイムス・6/19
と発言している事に、驚くばかりでした。

 ご存知のように、最高裁は、自衛隊の合憲性判断をした事は、一度も、ありませ ん。
 この発言を読んで、参議院での小泉答弁(01/10/23)が、再び、思い起こされまし た。
 ご覧になられた方も多いと思いますが、小泉首相は、「自衛隊は合憲だという最高 裁判決が出でいる」などとNHKで放送されている中、「堂々と」、嘘答弁をしたの です。
 この時、海野 徹氏(民主)の追及が甘く、うやむやにされてしまいましたが、吉岡吉則氏(共産・10/26)の追及により、

> 自衛隊そのものの憲法適合性を直接的に判断した最高裁判決はないものと承知し ております。(内閣法制局長官・津野 修氏)

という答弁に続き、首相は、

> 今、法制局長官が答弁したように、自衛隊そのものの憲法適合性を直接的に判断 した最高裁判決がないことは御指摘のとおりであります(けれども…)

などと、しぶしぶ、発言が“嘘”であった事を認めざるを得ませんでした。

 学生でさえ、少しでも憲法をかじった者であるならば、このようなことは、常識で す。にも拘わらず、この国の「指導者」は、「最高裁が合憲と判断した」などと嘘ま でついて、自分の「主張」の「正当性」を権威付けようとしました。
 このように、国会でも、政府から否定する答弁が行なわれているにも拘わらず、ま たしても、今回の沖縄選挙区での翁長氏の発言です。
 このような認識で、放送や新聞紙上で、「堂々と」嘘発言を続ける候補を、国会に 送ってはならないと思うばかりです。

***

 もう一つ。首相は、NHKの党首討論(6/27)で、憲法解釈では禁じられている集 団的自衛権の行使について、

> 日本を守るために一緒に戦っている米軍が攻撃された時に、集団的自衛権を行使 できないのはおかしい。憲法ではっきりしていくことが大事だ。憲法を改正して、日 本が攻撃された場合には米国と一緒に行動できるような(形にすべきだ)

と述べ、

>「(政府は)日本を守っている米軍の行動まで、日本が協力して一緒に活動できな いという解釈をしている」とも発言。実際には、政府は日本にある米軍基地への攻撃 や、日本防衛のために行動している米艦艇への攻撃を自衛隊が排除するのは個別的自 衛権の行使にあたり、現行憲法下でも可能との立場をとっている。 (朝日・06/27

と報じられるように、またしても、「堂々と」嘘をつきました。

 このような、いいかげんな認識しかない、嘘つき首相は、不破氏とともに、サッサ と引退して欲しいと思っています。

***

 今回の参院選について、たれりんさんが、「参院選・比例 ~さざなみ公認候補者 の選定を~」(06/10・14)というご投稿をされておりますが、その後、どなたも具 体的な名前を、挙げておられないようです。

 私は、以前、前回の選挙についても触れさせて頂きましたが、私自身が、党名では なく、紙 智子氏に投票していたので、当選した時は、驚きとともにやはり、いつも のように落選票になるよりは、段違いに嬉しかったことを覚えています。

 私は、非拘束名簿式比例代表制は、なかなかいいのではないか、と思っています。 これを、衆議院に用い(もちろん、一人政党として個人立候補を認め)、参議院は、 中選挙区制にすれば、かなり民意を反映することができ、個人の「良識」を発揮させ るためにも、有効ではないかと考えています。
 いいかげんな事をやれば、落選の憂き目に遭うということを認識すれば、政治家も 政党も、少しは、まともになるでしょう。

 今回は、「中原美江(よしえ)」氏に投票しようと、個人的には、思っています。 基準は女性候補である事と、党職員ではなく、党外の団体(新日本婦人の会)で活躍 されている事からです。
 たれりんさん、原さん、他の皆さんは、どのように、お考えでしょうか。

***

 人文学徒さんへ  「錯綜」しすぎた文で、すみません。
 以前も、天邪鬼さんに「船酔いしそうな」とか何とか…正確には忘れてしまいまし たが、言われてしまった事があります。
 私としては、これまでの人文学徒さんのご投稿を読ませて頂き、一生懸命、纏めよ うとしているのですが、気が付いたことをついつい書いてしまい、あのような文にな ることが多いようです。
 すみませんが、許してください。

 ただ、人文学徒さんが、

> 僕としては「さざ波通信37号」「前衛未来社会論批判」はとても興味深かった し、大事なものだと思いました。次回には僕もこれに触れてみたいと思います。

と仰っておられましたが、それ程、触れられていないように感じましたものですか ら、その辺りを、お聞きしたいと思いながら、「アソシエーション」論などのリンク を貼らせて頂きました。
 従って、もちろん、前回の文は、まだ、続くつもりのものです。

 「残り少ない人生でもありますしね。」などと、仰らずに、ご健康に留意され、長 生きされて、「僕の一度しかない大事な生涯で一番語らねばならないことは、どっか で語りたい」という想いを、永く聞かせてください。
 ボチボチ、歩いて行きましょう。

***

 お読み下さいました皆様、有難うございました。