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「現状分析と対抗戦略」討論欄

共産党の歴史分析は面白そう 原さんへ

2004/07/08 山田盛太郎 50代 研究者

 原さんへ
 マルクス主義は政治の実践理論としては衰退し、社会科学の多くの分野でも影響力 を失っていますが、経済的社会構成体概念(土台-上部構造論)など、使えるものは たくさんあります。山田盛太郎の諸業績は難解な表現をとっていますが、歴史=構造 分析として水準が高く、今日の発展途上国の産業化のパターン化にも有効で、私は好 きです。
 さて、ご指摘の「原理主義ではないのでは」という点、とても面白く読みました。 『寒村自伝』まで取り出しての分析は、なかなかです。初期の共産党は、無産主義者 や人道主義的社会主義者まで含めた雑多な集団であり、それが共産主義政党として純 化・確立するものとして共産党の正史は描くわけですが、逆にヒューマニストを排除 し、組織的一元性とスターリニズムの基盤となったともいえるわけで、共産党バージョ ンではない共産党史研究によって、自らの目を開くことが必要と思いました。もっと もすでにかなりの人が書いている訳で、ソビエトのように崩壊すれば、秘められてい た資料が公開され、新しい発見があるでしょうが。
 セクト主義と原理主義、原さんは両者を対立的に見て、前者を重視するわけですが、 オウムなどオカルト集団を見てもこのふたつは相関性が高いと思います。セクト主義 は結果として発生し、しかも日本社会の「ささら」構造が基盤にあるのではないでしょ うか。少し時間を置いてまた考えてみたいと思います。
 人文学徒さん、組織論での貴重な意見ありがとう。また浜吉さんの投稿も大事なも のがあると思いました。あとでレスします。時間をください。