共産党+社民党の議席面での大幅後退と得票面での維持という参議院選挙か ら、2週間近くがたちました。この結果を考えるにつけ、身近な地方議員・首長から 政治を変えて行く努力の必要性をつくづく感じます。そして、私の寄稿とほぼ同時点 で千早様から下記を中心とした「圧倒的反動化の時代に」のご投稿があり、私を活気 づけてくださいました。
>私は、京都市長選と東京都知事選、大阪府知事選などの自治体選挙の様相を見てい て、善意の共産党員は多いけれど、前向きに創造的な闘争を工夫する共産党員は多い のだろうか、と疑問に想った。
そして、末端の悩む党員や知識人党員に、どれだけ展望を執行部は与える力量を もっているのだろうか、とも想っている。
いやいや、無名の全国の志ある党員がいる限り、まだ安易に失望してはいけない。 私は党員ではないし、党員の言動に疑問をもつことも多いのだが、この国の平和と未 来を展望するうえで、日本共産党と>党内外の多くの平和を志向する変革主体の共同 した取り組みで、憲法改悪にまっしぐらに走る政権の野望を封じ込める闘いに、これ からの応援していきたい。
「圧倒的反動化」という表題のご認識には単純には同意できませんが、さにその通り と思います。前半の「前向きに創造的な闘争の工夫」、後半の「共産党内外の多くの 平和を志向する変革主体の共同した取組み」について賛成する立場から謬見を述べま す。なお、この中で共産党や社民党、民主党の名前を出しますが、共産党が北朝鮮問 題でほとんど口をつぐんでいること(7.21記念講演での志位氏、不破氏)、社民党が 日米同盟堅持、民主党の公式見解は新自由主義的「改革」促進、という点も認識して います。
第一に、共産党の綱領にあるように議会を通じて日本を改革することを前提にする
なら、やっぱり議席を増やさないと実現できません。そのためには、少子高齢化の現
状を考えると、若者に仕事を・地方経済の大規模土建型公共事業によらない活性化と
国内産業の発展の前提となる平和の維持、高齢者・障害者の社会保障の確立。これを
わかりやすく伝え、同時にそれらに共感する人々の組織化が重要と思います。その点
で、福島瑞穂社民党党首や渡辺治氏も賛同した(渡辺氏は事務局員となるらしい)
「九条の会」の動きに注目しています。この会が、共産党関係の一部の学者さんたち
の集まりとならず、多くの働く人々を組織してゆく一つの拠点となることに期待しま
す。単に護憲というだけでなく、現行憲法を日常生活に活かす「活憲」を前向きにう
ちだすこと。
第二に、今回共産党や社民党に投票した人々を、党派や後援会の壁を超えた活動の
必要性です。そのためには、中央レベルと地方レベルの双方の工夫がいるでしょう。
中央組織レベルでの率直な意見交換と共闘課題の具体化・精選化をすること、それら
を受けつつ地方自治体レベルでの共同した活動の実践です。特に共産党に望むのは、
地方組織の自律性をもっと高める「規制緩和」、ということです。党派の看板だけで
活動しようとすれば、意見の違いばかりが目立ってしまいます。このことにより、中
央方針への消極的な活動から、地域の現状にみあった「創意工夫」が盛り上がって行
くのではないか、と思います。そのためにはどの党派も、国民のために血の出る判断
・活憲無所属候補の擁立、という工夫もいるでしょう。
第三に、これらの運動の中で、民主党内護憲派をもとり込む活動を行なうことで
す。平たく言えば、旧自民党の岡田代表、藤井幹事長の動向ではなく、今回の参議院
議員選挙で社民党、共産党との共闘をした議員および地元組織への働きかけや地方首
長選挙での共闘への呼びかけをするべきでしょう。
第四に、20代の人々、60代以上の人々への働きかけをどんどんすべきと思います。
朝日新聞の調査では、20代での自民党支持率がかなり高くかつ棄権率が高いので
す。これは日本社会の近未来を考える上で克服すべき重要な点と感じます。そのため
には、新潟や福井の豪雨でボランティアがはせ参じたように、「政治」より「具体的
な課題」での組織化が重要でしょう。また、60代以上の世代については、今後「団塊
世代」の年金受給開始に伴い社会保障の在り方に関心を持たざるを得ないのです。
「国の財政もきついらしいから消費税を現役の人たちを中心に沢山払ってもらうしか
ないか・・・」という、判断にならない、具体的な政策とともに、旧雇い元企業に気
兼ねなく動ける「元気な」シルバーを、地域レベルの共闘運動に参加していただくこ
とと思います、
以上のような活動を、ネットワークの時代を背景にして促進したいと考えます。千早
様が述べるように「上位下達」システムの共産党を変えるのは大変なことかもしれま
せん。だから、中央(党派指導部)→地方の草の根の活動、という方式を思い切って
見直す必要を感じます。その意味で。7.21の志位さん、不破さんのご講演は、残念で
しかたがないのです。党の政策は正しかった、だが、二大政党論の流れのが強力に作
られる中、国民に伝わらなかった。民主党を支持したのは、政策をしったうえではな
い(これって、国民にひどく失礼。そうしたら、6年前の参議院選挙の共産党大躍進
は、国民が共産党の政策を支持したわけではなかった、という議論に。)