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「現状分析と対抗戦略」討論欄

那覇市長選敗北の時点で想う

2004/11/17 千坂史郎 50代

 11月14日付けで本欄に執筆した。那覇市長選は、敗北に終った。投票率は 前回の60パーセント台を下回り50パーセント台であった。得票差も翁長市長が初 当選したときの数千票台から1万4000票強の差であった。

 だが、それでも今回の選挙は、自民党公明党以外の野党が結集しえたことにおいて、 有意義であったと私は考える。同じ頃に福島県では共産党員町長が当選した。自治体 首長選とは、そこの自治体固有の課題を抱えている。

 琉球新報は開票翌朝の社説で、選挙が必ずしもアメリカ軍基地やイラク戦争問題が 争点とならなかったと述べている。むしろ、翁長市政の経済政策が一定程度支持され た、と。同時にこれから四年間「風格ある市政」になるかどうかも、内外の諸要因に 影響されるところ大であるだけに、懸念される、と率直に述べている。

 那覇市長選は、残念ながら敗北した。けれど振り返るに、今回の共闘の背景に、参 院選で野党共闘によって革新協同の糸数さんの当選勝利がある。沖縄の県民は、利益 誘導型ではなく、基地・平和の問題を真剣に考え選択した。参院選で社民党や共産党 がかかわりある選挙区で当選したのは、沖縄県唯一であった。沖縄県民の理性を軽ん じてはいけない。日本最大の不況失業率に苦しむ沖縄のひとびとが、暮らしに苦しむ 実情を、少しでも救う経済政策や実効的方針を提示することそ、野党共闘側の課題で ある。

 その点では、京都市長選で敗北した「市民の会」の広原盛明さんらが、「市民派首 長選挙」として総括した後にも、いくつもの論点をホームページ掲示板に立ち上げ、 継続的に京都の街作り運動を持続していることに学び、那覇市共闘サイドも独自の方 法論で次期市長選に向けての政策と運動とを再建していってほしい。それが選挙の結 果を生かすということであろう。