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「現状分析と対抗戦略」討論欄

甘い  ロム3様へ

2005/01/09 銀河 60代以上 画家

「資本主義が質的に社会主義に変化して行くのだと思います。現在の資本主義でも権力を握っているのはもはや資本家ではなく、企業家です。

 アメリカの年金は401Kと言って、労働者が自分で選択して、株や債権に投資する仕組みになっています。だから、ダウ1万ドルなどと言う線に株価が高止まりしていると思います。労働者もいやおうなく資本家にされています。」
「革命は人間が起こすものではなく、生産力が起こすものだと思います。その時代時代の生産力に見合った社会システムを素早く構築することが不幸な事態をさける最善の方法だと思います。」
「ブッシュは石油のために戦いを起こしましたが、日本は、石油が不要になるような技術を模索すべきだと思います。国策として、燃料電池とか、水素エネルギーの開発に進むべきだと思います。」
「したがって、マルクス時代のブルジョアジーという概念も今はもう古いのではと思います。今は、アメリカでも、日本でも中産階級が没落しました。一億総中流と言う言葉も、今は昔の物語です レーニンの革命の誤りはすぐ解ると思います。ソ連や、東欧の人々にはすっっかり解っているのです から。」

以上はあなたの私に対する反論の抜粋です。
 その他に「革命は、権力の問題か、構造変化の問題か。2004/12」の論を読ま せていただきました。
 私に対して反論を頂いたことを感謝します。無視されたのかと思っていたのですがそうではなくてよかったと思います。忌憚なく私の考えを述べますが言葉の行き過ぎがあるかもしれませんが理論問題として冷静に読んでいただければ幸いです。
 私はあなたの投稿を幾つか読ませてもらって特にあなたを取り立ててという気持ではなく共産党員の現実に対する認識が非常に甘く、今私たちが直面している困難と課題からあまりにもかけ離れていることを感じざるをえず、ロム3という固有名詞をあげさながら下記の文を投稿することにしました。
 世界においてはイラク戦争が第三次世界大戦の過程に踏み込んだことを示しておりその戦火はアラブ全域から朝鮮アジアにと拡大していく必然性をもっています。また朝鮮問題も拉致問題を奇貨として利用しながら排外主義をあおり経済制裁から朝鮮戦争を扇動されるような状況がこの日本を覆っています。
 国内においては昨年には有事立法成立があり憲法が改悪されるという攻撃があります。また民営化の重圧が日本の労働組合を解体し、それは戦争体制つくりと一体になって推し進められています。このような厳しい情勢の中で私たちはどのように生きねばならないか、私たちは今何をすることが子供達に何を残すかをとわれていると思います。

 まず、マルクス、レーニンについてあなたは以下のように「批判」ていますが正直に問います。あなたはマルクスの著書、レーニンの著書を1冊でも読まれたのでしょうか。もしも失礼だが読まれたという本があればその題名を教えてください。それからレーニンの革命という言葉がありますがレーニンは革命なんか出来ません。
 もっと言葉を正確にレーニンの革命論と書くべきでしょう。そして革命論と書くならばレーニンの実際に書いた文章を引用しその上で批判するのがやり方です。ゴチゴチ豆などという比喩は何の役にも立ちません。レーニン自身が他の人を批判する時はしっかりとその人の書いたものを調べ必ず引用をしながら行っています。
 唯物弁証法とは便利なナイフではないのです。膨大な資料を駆使する労力が背景にあるのです。ここに原千作さんの論文があります。彼は非常に資料を調べて論を構成しています。それは不破哲三のマルクス、レーニンの歪曲を見事に暴いています。それでも残念ながら引き出す結論にはぼくは反対です。しかし反対するには反対するだけの勉強が必要です。そのことを彼から学びます。だからぼくは今は黙っています。
 ここではレーニンの本を一冊も読まずにレーニン批判をする弁護士もいます。死人に口なしというわけです。こんな人に法廷に立たれてはたまりません。被告人の陳述をよく調べた上で論述しなければならないのです。そして被告人レーニンは膨大な陳述をしています。弁護士こそは知識だけが商品です。知識を仕入れずに批判するなんてもってのほかです。

 さてあなたに百歩譲ればレーニンの革命はゴチゴチ豆という言葉を理解できないではありません。だがかつてすべての革命はあなたの言葉を借りればゴチゴチ豆だったのです。前にあげたフランス革命然り。中国革命然り。キューバ革命は奇跡のようです。柔らかい豆をかむような革命が過去にあったとしたらあなたは例をあげてください。この質問は前にもしたと思います。
 もしも柔らかい革命を上げるならば昔チリのアジェンデ政権が選挙によって成立しました。この時点だけ見れば平和革命です。しかし軍部の反革命によって数百万の人民が血の海に沈められました。多分世界史に平和革命の経験はまだないと思います。
 日本共産党はありもしない平和革命の幻想を振りまくために、スリランカという小さな国の革命が選挙によって成立したことに目を皿にして見つめていました。だがスリランカはまったく小国で帝国主義経済に依存しなければ生きられない国だったのです。この国に社会主義が単独で出来るわけがないのです。帝国主義の経済支配からでることは出来ないのです。それはフィリピンもマルコス政権を打倒した後も同じです。
 それでは質問します。
 革命とはなんですか。それはクーデターとどこが違いますか。
    あなたは革命を権力の問題であると宮本顕治が言ったことに反対し構造変革だといわれています。
 あまり整理されない論拠に日本の生産は高度な技術を持ちいまや大量生産ではなく付加価値の高いものに移行しつつあるのだと。それと国家権力の問題は関係はないと思うのですが私が注目するのはそのことではなく先進資本主義国はアジアや中国の工場を下請けのようにさせてそれらの国の労働者に肉体が消耗し大量生産で追いまくられる仕事をさせ、それらの半製品を日本で付加価値の高い部分を加えて商品とする生産方式に近年はうつってってきています。国内での下請けをアジアに移動させたのです。それによってさらに莫大な利益を得ています。
 あなたは日本の技術が高いことを自慢しているようです。私はその高い技術を世界中に与えていくべきだと思います。
 このことは帝国主義がより被抑圧民族の搾取によって成り立っているかを示します。ですから革命という時、勿論同時に世界的に成立するのでなく一国で達成されるとしても、ますます世界的な規模に連動する条件が出来たと私は考えます。商品や資本を一国規模で考えられない時代なのです。
 グローバルという言葉が流行りですがもともと帝国主義はグローバルなのですがますますその規模と密度が増したのではないでしょうか。ですから日本国内だけを切り取って考えることは出来ません。生産があなたの言うようなものになったと仮定しても革命は資本家階級から労働者階級に国家権力を移行させることであるということに何の変化もないと私は考えます。
 私は革命とはある階級から別の階級に国家権力が奪われることだと考えます。それまでに支配していた階級が新しい階級に支配を奪われることをやすやすと見送ることはかつてありませんでした。
 選挙で革命勢力が多数を取ったとき国家の暴力が革命政府を打倒します。そうなる前にに支配階級は軍隊、警察、監獄、法律、あらゆる暴力装置を備え革命勢力度弾圧します。今共産党が弾圧されないのは革命を放棄したからです。いわば国家とはその国を支配するための暴力装置です。選挙はまやかしにしか過ぎません。ドイツ社会民主党(共産党)は1880年代に第一党になった経験があります。それによって何が変わっただろうか。何も変わらなかったのです。
 さて「レーニンの革命」についてだが、論文が嫌いならばこんな本はどうでしょうか。
 ジョン・リード「世界を震撼させた7日間」
 新聞記者が書いたドキュメンタリーでロシア革命の当時の日々を正確に書いています。
 ショーロホフ「静かなるドン」、
 オストロフスキー「鋼鉄はいかに鍛えられたか」
 ロシア革命は不意打ちを食らわせたようなものですが、それ以来資本主義各国では革命を予防するためにあらゆる努力を払います。第1次世界大戦の中でロシアの人民もドイツの人民も塗炭の苦しみをなめていたのです。
 レマルク「西部戦線異常なし」
 これはドイツ側から第一次世界戦争を描いた傑作です。
 この戦争の苦しみの中でドイツにもロシアにも革命を求める声が高まるのです。
 レーニンは戦場の兵士に「パンと平和を」と呼びかけます。その呼びかけはロシアの前線の塹壕の中にまで広がりドイツ兵の塹壕にも伝わります。いたるところの前線でドイツ兵とロシア兵の交歓会がなされます。そしてロシア兵は上官を捕らえたり殺して叛乱を起こします。それらが赤軍となり続々とモスクワに向かってくるのです。その革命情勢の中でメンシェビキが革命を決断できないで延々と会議を引き延ばします。レーニンは「昨日では早すぎる、明日では遅すぎる、今だ」という暗号を赤軍に発します。政府軍がモスクワに入るあげ橋は上げられほとんど無血革命を成功させたのです。
 ドイツではカールリープクネヒトに率いられた社会民主党が祖国擁護の立場に立ち戦争を支持するのですが、カール・リープクネヒトとローザ・リュクセンブルグは党に叛旗を掲げスパルクス団を結成しこの戦争に反対し革命を追及します。ドイツにも革命情勢が第1次大戦中に巻き起こったのですが敗戦後逡巡している隙に巻き返されカールとローザは、社会民主党党首ノスケの命によって捕らえられ銃殺されます。ドイツ革命の失敗がやがてナチスヒットラーのファシズムへとつながるのです。
 話を戻してロシア革命がドイツ革命に波及することを恐れた各国帝国主義に第1次世界戦争を継続できなくさせたのです。ロシア革命が世界戦争を終わらせたのです。この革命を平和の観点からも否定するのは誤っています。偉大なるロシア革命なのです。ロシア革命がなければ世界戦争はもっともっと深刻になっていたでしょう。(資料抜きなので間違いもあるかもしれません。)

 ロシアではしかしそれからが内戦に入ります。この内戦と各国の干渉戦に打ち勝つ過程を革命と私は考えます。大体の事実はこうだったと思います。
 このような世界戦争という背景を無視してレーニンの革命はゴチゴチ豆などとおっしゃるのは無知からなのか、意図されたものなのかどちらですか。この不意打ちに動揺した各国政府は革命を芽のうちから摘み取ろうとロシア革命の後は考えたのです。
 それを予防反革命といいます。革命家はまだ少ないうちに逮捕投獄されます。何時も彼らにはスパイがつきまといます。このさざ波にも入っています。こうして革命を芽のうちに抜き取ります。それもあるが、あらゆる方法で革命思想の宣伝を防ぎます。そしてその国の被支配階級に階級性を失わせ階級和解を吹き込みます。そうして階級はないのだと思い込ませるのです。その罠にまんまとはまっているのがあなたではないでしょうか。
 マルクス時代のブルジョアジーという概念が古いと言われますがブルジョアジーの本質は今もまったく同じです。ブルジョアジーとは労働者階級から得た剰余価値で生きている階級です。一体利益とか富というものがどこから降って沸いてくるのでもないのです。労働者からの搾取からしかその源泉はありません。
 一方は搾取される膨大な労働者達、もう一方は搾取する少数の資本家にこの国は大まかに分かれています。この二つの階級の利益は絶対的な対立ですその二つの階級の間に農民や商人、知識人やその他がいますが中間階層といいます。これら中間階層は絶えず転落して労働者になっていきます。今日本の労働者階級は7000万です。
 労働者の利益は資本家の利益と衝突します。しかし資本家が生産手段を握っているから反抗する労働者は路頭に放り出されます。また国家、即ち暴力機構が労働者に襲い掛かります。8人の国労の労働者が仲間の1047人の労働者の解雇反対闘争を支持したがために昨年1年間投獄されたのです。それをさせたのは共産党の国労幹部上村達です。勿論共産党中央委員会がそうさせたのです。
 あなたは資本家などこの国にいなくて企業家だけがいるといいます。資本家のすべてが企業をしているのでもないのですが企業家のすべては資本家です。企業家という彼らは剰余価値の搾取を糧に生きているのですから。しかし今はちっぽけな資本家よりもあらゆる企業、あらゆる産業を支配している金融独占資本があります。どんな企業も金融独占の窓口の銀行に支配されています。その銀行や金融資本を握っているのが独占資本です。独占資本は自由にすべてに企業をつぶすことも出来ます。独占資本家の姿が仮に見えようが見えまいが資本や株の糸を手繰っていくと必ずある個人に辿り着きます。これがくもの巣の女王なのです。権力の姿は何時の時代も見えないものです。
 労働者が株や債権に投資しているアメリカではいったん恐慌に陥れば大変な事態になります。彼らは年金までも投資に回しているのですから。投資した株や債権が二束三文になればあっという間にホームレスが都市に溢れます。だが考えても御覧なさい。株の利益というのもやはり労働者の剰余価値なのですから彼らは自分の足を食うタコのようにさせられているです。
 株を買うことによって仲間の労働者を搾取しながら自分もまた仲間から搾取されているのです。会社の株を買わせたりするのは労働者を企業意識に取り込むためなのです。わずかの株を持った労働者を資本家といえません。投資家の多いほどその企業を支配する株の比率は小さくて済むのです。以前は50パーセントで支配できた企業を今は10パーセントで支配できるのです。わずかの株を持っている労働者が株主総会で何か発言できますか。株を持たせておけば「会社があって自分がある、」そう思い込ますためです。
 ところがこのリストラが吹き荒れる時代、買った株は2束3文になるし、会社のためにやめてくれと多くの労働者が退職勧奨されるばかりではなく解雇されてきたのが現実です。あなたはそんな現実を知らないですむ党員ですか。
 ここ数年自殺者が3万5千人も出ているがその原因にリストラが言われています。自殺者が3万人としてもそれならば自殺未遂は30万人は出ているでしょう。異常な事態です。あなたはどこにお住まいでしょうか。ぼくは大阪ですが釜が崎は有名なスラム街です。釜が崎では年間400人が行き倒れになっています。一度ここを散歩して御覧なさい。どれほどの失業者が力を落として歩いたりたむろしていることか。またこのあたりだけでなく大阪城公園一帯はブルーテントで一杯です。河川敷や橋の下にはどこでもホームレスがいます。
 東京でも上野公園や新宿に近い公園にブルーテントが一杯あるのを私は集会に行った時に見ました。あなたは一体何を見ているのですか。もうこの国は労働者を食わせることが出来なくなってきているのです。よしんば企業のリストラに会わなかった労働者でもサービス残業があたりまえになっています。人員を減らして残った労働者からは搾り取れるだけ搾り取るこれが現実です。これはもっとも儲かる方法です。最近企業が儲かり始めたというのはそのためです。労働者の賃金は毎年下がっています。
 いやそれだけではありません。資本は利益の少ないところから利益の多い方に流れてゆきます。いまや生産は安い賃金で働く労働者が無限にいる中国へと流れてゆきます。ここから得る利潤はべらぼうで資本家がウハウハしています。この利潤を超過利潤とマルクスは名づけますが超過利潤を求めて資本が中国、アジアに行くので日本の産業は空洞化します。いまやアジアの労働力と資源の搾取収奪なしに生きてゆけなくなったのが日本の資本主義です。これを帝国主義の寄生性といいます。アジアの経済と日本の経済がリンクされています。これを帝国主義と呼ぶのです。
 そして日本の労働者はアジア人から見ればブルジョアジーです。このようにして中国、アジアでは低賃金労働者が増えてゆきます。農業や漁業や自然の中で生きてきた人々が日本の資本のために山を伐採され、川をよごされ、田畑は枯れ、生きてゆけなくなって、日本企業のために奴隷のように働かねばならなくなったのです。
 このようにしてマルクスの言う絶対的貧困化は帝国主義という国際性によって地球全域に貫徹されているのです。アフリカが餓えたのも帝国主義のためです。こうして階級対立は一国の規模でなく全労働者対帝国主義へとなってきたのです。世界革命の条件がますます形成されてきたのです。
 生産力が発展すれば自然に革命になる。それは疑問です。生産力が発展すれば市場を求めて資本は他の資本を打倒して大きくなります。そして他の帝国主義と市場の奪い合いをし戦争をします。そして世界を奪い合うのです。あなたの言うようなことを待っていたら世界は破滅します。生産力はもう充分に発展しています。あまりにも単純な俗流史的唯物論に目を疑います。生産力という無機物が社会を作っているのではありません。社会とはあくまで人間が構成しているのです。社会を変えるのも人間であれば革命をするのも人間です。主体的な努力や情熱がなければ革命などありえないのです。
 帝国主義戦争がイラクを舞台に戦われている今日、日、韓、米の労働組合が連帯しました。韓国の民主労総は世界で最強の労働組合です。動労千葉は日本で最も頑強な労働組合ですアメリカの港湾労働組合はれきしてきにアメリカでもっとも頑強にたたかいぬいてきた強力な労働組合です。まだ2000年11月7日インタナショナルがついに結成された歴史的な日です。この連帯はイラク戦争反対で行動をともにしています。それは帝国主義打倒の階級闘争が国際的になったということです。
 労働者階級がこのようにに団結をしようというとき帝国主義諸国は激しい相互間の死闘をはじめました。それがイラク戦争です。アメリカのイラク攻撃に反対するというフランス、ドイツ、ロシアの抵抗は石油という動脈を切られるかどうかの死活の抵抗なのです。そしてスペイン、オランダがイラクから撤退しました。こうしてヨーロッパ帝国主義がブロック化しようとしています。一方アメリカ、イギリス、日本がブロックとなったのです。これは2回の帝国主義世界戦争とまったく同じ構図です。第三次世界戦争へと急坂を世界が転げ落ちようとしています。
 日本がイラクから撤退できないのはやはり石油という動脈を断ち切られないためです。今日石油が動力源です。燃料電池や水素エネルギーを利用するのはまだ先の話です。石油がなくなればどの国も原始に戻ります。アメリカ帝国主義はアラブの石油を独占して世界を支配しようとしているのです。このように階級闘争は帝国主義戦争へとのぼりつめ世界戦争が不可避となったのです。
 革命は棚ボタ式に落ちてくるというのではなく帝国主義を打倒する死闘の中からしか生まれてこないのです。戦争と革命の時代に入ったのです。人類が生き残れるか、死滅するかの問題の解決が革命に関わっています。
 バターとクリームの塗られたケーキのような革命なんか少女の夢にしか過ぎません。ピンクの戦車の銃口から泡が吹き出すような夢です。共産党員は今では夢見る夢子さんですか。