ロム3さま。
私の文章が長すぎるとのお言葉ですが私にすれば短かすぎるくらいです。ただ時間
が許されないので中途半端の長さになったのでした。長さについては編集部の苦情が
あれば別です。原さんの論文はもっと長いのです。
私は日本共産党がもともと持っていた右翼日和見主義が去年の第23回大会で、全党
が転向したと断ぜざるを得ない抜本的な綱領改定をしたとき、そのような綱領を許し
たあなたたち党員の思想がどうなっているかを観察したのです。このさざ波通信には
共産党員が多く投稿しておられるがあなたを典型として選び出し、あなたを通じてそ
の小ブルジョア性を明らかにしながら、あなたたちが初心に戻られ共産主義者の持つ
べき思想を一緒に追求したかったのです。
したがって反論の形式をとりながら全般的になり長文にのは仕方がないと思います。
もしも私が帝国主義について理解してもらうために書くならば何倍もの長さになりま
す。むしろ短かすぎたのであなたに理解されていないように思います。あなたは長い
文章を書く必要はないでしょう。
まずあなたの再反論は私にたいしては60年代の古臭い理論を引きずっているという
独断とレーニンや宮本賢治ををごっちゃにしてゴミ箱のクズのように否定するという
非常に乱暴なものです。
私について言えば60年代には党員でしたが第7回党大会が日本の国家を「アメリカ
帝国主義に従属した高度に発達した独占資本が支配する国家」と規定し、革命につい
ては敵の出方論、(敵の出方によっては暴力革命もありうる)を放棄して平和革命論
を採用したことに終始一貫して反対してきました。2段階革命論、民主主義革命(民
主連合政府)を経てから社会主義革命に至るという方針にも反対でした。その論争で
多くの同志が除名されました。その後7回大会以降の党員が圧倒的になれば78年に至
り党にいることすら出来なくなって離党したものです。
その後85年ごろ、スターリン主義について目からうろこが落ちるような理論に接し、 帝国主義についても在党時代より深めることが出来たと思いますので私に対して60年 代云々は当っていません。60年代の党員にはスターリン主義の観念すらなかったので す。ソ連邦の崩壊は私にとって予定されたことであり、北朝鮮の現状はスターリン主 義であるならば当然のことです。もっとも、賢い人たちはハンガリー事件からスター リン主義を徹底的に解明した人々がいました。
「拉致問題を貴貨」としてと書いたのに対してあたかも私が北朝鮮政府を擁護して いるように曲解されているが、そうではないことは私の他の投稿を読めば明らかでは ないですか。だが拉致問題が第2次朝鮮戦争のために最大限反動どもによって利用さ れていることぐらいが見抜けないのでしょうか。それがわからないから北朝鮮経済制 裁などと主張するのです。しかしこの問題はまた北朝鮮の欄でやりましょう。今はもっ と根本的なイデオロギーの論争に集中しましょう。
相変わらずレーニンを読むことをしないでレーニンなんか古臭いと言われることは あなたの怠慢を合理化しているに過ぎません。46巻あるレーニン全集を読んで下さい、 などといっているのではなく、革命について論じるならば「国家と革命」、「帝国主 義論」くらいを読みそれを批判できるならすればいいのです。レーニンは古いという ことを説得力をもって主張する場合、レーニンのすべてなのか、どの部分なのかを明 らかにすべきでしょう。レーニン論の何を継承し、何を放棄すべきかを考えねばなら ないでしょう。
私は仏教もキリスト教、イスラム教、ヒンズー教も古いと思うのですが、しかしど の宗教にも真理があり、真理は古びないのだと思います。19世紀から20世紀にかけて の思想史の中でたとえ賛否はあろうともマルクス、エンゲルス、レーニンをどのよう な哲学者、経済学者、社会科学者、革命家なども無視することは出来ないのです。あ なたが史的唯物論を言う時にその方法が「古臭い」マルクスとエンゲルスのものであっ たことをどう説明するのですか。あなたが自身をマルクスやレーニンよりも優れてい るとい思われるなら倣岸な態度だと私は思います。今日、不破の23回大会の報告によっ てさえ「世界中のどの都市に行ってもマルクスが歩いている」そうです。かれは実際 はマルクスやレーニンを神棚に上げながら彼らの思想を放棄しているに関わらず。
否定する、それは自由です。否定されるマルクス、エンゲルス、レーニンの何を否 定するのかを書かねば論にはならないでしょう。私も宮本賢治、不破哲三を否定しま す。しかし私は少なくとも日本共産党史を学んでいます。党大会の文書はほとんど読 んでいます。
マルクスについては非常に短い「共産党宣言」、「賃労働と資本」、ほんの数ペー
ジしかない「ゴータ綱領批判」のどれかぐらいは読んでください。「資本論」はぼく
はこの年.68歳ですが勉強していますが難しくて読みきれません。しかし「資本論」
ではなく、今あげた、レーニン、マルクスは当時の労働者がむさぼるようにして読ん
でいます。高等教育を受けたあなたに読めないはずがありません。
古いも新しいも読まないでわかるのですか。あなたは自分の党の綱領も規約も読む
必要がないといっていますが私は自分の属する党が何を目指しているのかさえ知らな
い党員がいることに驚きです。ならば私の方がよくあなたの党を知っています。勉強
は死ぬまでして欲しいと思います。
「革命」と「クーデター」の語彙の解釈についてあなたは混同しています。
大辞林国語辞典より
かくめい 0 【革命】
〔「易経(革卦)」による。「革」はあらためる、「命」は天命の意〕
(1)支配者階級が握っていた国家権力を被支配者階級が奪い取って、政治や経済の社 会構造を根本的に覆す変革。
「ロシア―」「無血―」「暴力―」
(2)既成の制度や価値を根本的に変革すること。
「産業―」「文化―」
(3)〔中国で、天子は天命を受けて天下を治めるとされていたところから〕王朝があ らたまること。クーデター 3 [(フランス) coup d'Etat]
既存の政治体制を構成する一部の勢力が、権力の全面的掌握または権力の拡大のため に、非合法的に武力を行使すること。国家権力が一つの階級から他の階級に移行する 革命とは区別される。
私たちが革命問題を語るとき革命についての解釈は(1)を前提にします。あなた は「産業革命」を革命といっているならどうして話を噛み合わせることが出来るので すか。クーデターについてもあなたはまったく理解していません。クーデターがあな たにとっては革命なのです。たとえば自衛隊が今の政府を倒したとしたらこれはクー デターです。2.26事件はクーデターだったのです。革命ではありません。
<(1)支配者階級が握っていた国家権力を被支配者階級が奪い取って、政治や経済の
社会構造を根本的に覆す変革。>
という概念で革命について語るならば、日本共産党は革命を放棄した、転向したと
いえます。天皇制を認め、独占資本を認め、私有財産制度を認め、生産手段の社会化
と主張し、労働者階級の独裁を否定し、数え上げればきりがないほど骨抜きになった
綱領を採用して、たとえ議会で多数を占めても社会主義にはならないのです。
そしてあなたにいたってはこの国に階級問題もなく、支配も被支配もなく、階級闘 争もないというわけです。だが私が前回投稿した内容は、この国の搾取構造であり、 ブルジョアジーとプロレタリアートは絶対に和解できない矛盾をもっている、ブルジョ アジーの中でも巨大独占資本、帝国主義がこの日本を支配しているし帝国主義戦争を 追及している。もっと言えば日本はアジア諸国を隷属させながら世界第2位の帝国主 義国家となったという意味です。
いまやイラク戦争が帝国主義世界戦争に入ったことを示しており、日米英ブロック が形成されがフランスを旗頭とするドイツ、ロシア、西ヨーロッパ帝国主義というブ ロックと帝国主義世界戦争に入っていくのだという主張に対してなんら話題にしない のです。まったくあなた方にはこの恐るべき時代に対する危機感がなさ過ぎます。私 たちが経験したあの戦争と比較にならない時代に入ったのです。私たちはいち早くこ の恐るべき時代を認識し反戦平和のために闘わねばならないのではありませんか。帝 国主義がある限り戦争はなくなりません。帝国主義が打倒されない限り人類は破滅す る以外にありません。革命問題は戦争問題と一体のものです。
革命を「情報革命」を例に引きつつ「産業革命」だとしたところでそれがどういう 意味をもつのでしょうか。生産や情報が飛躍的に発展したから 搾取がなくなったの でしょうか。階級がなくなったのでしょうか。過去のイギリスの産業革命がイギリス の農民を分解し、プロレタリアートを大量に発生させ14時間労働や幼児の労働をさせ たりという悲惨な時代を到来させたのです。イギリスの自動織機がインドの織物業を 破壊し東インドは白骨の山となった(マルクス「資本論」一巻、機械と大工場)
労働者階級の戦いが児童労働を廃止させ、12時間労働を勝ち取り、アメリカの労働 運動が8時間労働を勝ち取ったのです。戦いが産業革命によって地獄に落された人民 を奴隷状態から引き上げたのです。
今日コンピューターの発達が労働強化をもたらしておりすべての労働者が監視され
ています。またすべての国民が国家に監視されています。イラク戦争ではトマホーク
が1メートルの誤差以内でバグダッドを砲撃し、ヘリコプターから個人を狙い撃ちに
します。
あなたと私がパソコンでこうして討論できるのを喜べる半面、こうした討論が監視
され、私もあなたも権力によって特定されるのであるから自由になったわけではない
のです。
「情報革命」とか「産業革命」を社会主義革命に置き換えることがいかに無理なこ
とでしょう。本来比べようのないものを秤にかけているのではないでしょうか。重さ
を長さを測るものさしで計量することが出来るのですか。
以上
(全回の投稿で140行目「ドイツではカールリープクネヒトに率いられた社会民主党
が祖国擁護の立場に立ち戦争を支持するのですが」
は
「ドイツではカール・カウツキーに率いられた」に訂正します。)