原仙作さんの労作で、とても詳しく綿密な分析を読んで、感動しました。これだけの論文を書ける人を活用出来ない党だから、活力が無いのだと思います。
私は、最も問題なのは、綱領・すなわち、教義が不破氏に独り占めされて居るところに問題があると思います。口では科学的といいますが、実は宗教的体質だと思います。そうなった遠因は、日本共産党が、ソビエットの影響下で生まれたことに宿命的な原因があると思います。
本来の共産主義は、史的唯物論で進むべきでした。そこへ「資本主義の弱い鎖の環 論」が、ソビエット革命のあとづけ理論として浮上し、持ち込まれました。宮本時代においては、史的唯物論と、弱い環論とは、二本立てになっていました。しかし、不破時代にはいってからは、本来的な理論である。史的唯物論は、全く捨て去られてしまいました。納得の行かない理論を主柱とするためには、中央集権性がより強固にならざるをえませんでした。小泉氏が郵政民営化の個人的思いに固執して、独裁性を強めたのと全くよく似た現象だと思います。
結果、現実から未来を類推する能力は消え失せてしまいました。
宮本時代においては、インテリゲンチャの党になることの危険性を考え、8.1現勢の調査というのがあって、肉体労働者と、頭脳労働者の比率とか、男女の比率、学歴調査などで、階級からの逸脱を警戒していました。そんなものも不破時代に入ってからは、捨て去られてしまいました。
ホリエモンを悪くいいますが、日本共産党こそは、金だけで人を色分けしているように思います。いわく、大企業がすべて悪い。
今は弁証法を駆使している、小泉氏の方が革新で、日本共産党は保守と言う状態に陥っています。共産党は大企業を攻撃しますが、大企業がなかったら、日本の産業の技術革新は望めないでしょう。
技術革新がなければ、早晩、韓国や、中国の下請けで甘んじなければなりません。そうするといまより賃金が下がってしまいます。
今、日本国民が一番心配しているのは、600兆から1千兆ともいわれる赤字財政をどう立て直すかです。国債が返還出来なくなれば国債が暴落して、金利が跳ね上がります。すると、とめどもないインフレになります。日本国民は、第二の敗戦を迎えることになります。
国債は、過去の自民党が発行したものだから、そんなもの知っちゃいないと駄々をこねたところで、苦しむのは、弱い国民です。
郵政民営化では、一見財政建て直し政策に見えて、さらにはげしい弱肉強食の世界を現出するのでしょう。ホリエモンや外資に儲けるチャンスを更に与えるだけです。
そこで一つの救いは、「新党日本」の旗揚げであると私は思います。田中康夫氏の弁証法は末端を大切にします。
彼の県議会による不信任による2度目の知事選挙では、日本共産党は、強力な与党だったと思います。今回の選挙で、自公民が過半数を割れば小泉氏は、引退します。政界再編成のガラガラポンがはじまります。次回の選挙からは、新党日本が全国に候補者を立てれば日本共産党は、政策協定をしてその手足になれば与党になることが出来ます。日本共産党は、自民党の別働隊の汚名を返上できるわけです。
これは私の甘い予測かもしれませんが、国の存亡の危機の時、ささいな違いで争っているべきではないと思います。大同団結して危機に当たるべきだと思います。
私の周囲の人々は、日本共産党に期待しています。だけど、現状ではあまりに観念的で支持しづらいと言います。
80年の歴史の重みがわるいのか、不破がわるいのか、小泉政権の悪政と闘いながら、不破イズムのしみついた末端党員の観念論との戦いが、私の使命だと思っています。日本共産党を革命しないと、日本の真の改革は出来ないと思います。