原さんの投稿をいつも興味深く読ませてもらってます。
実に科学的な分析と戦術論に感銘を受けるものです。
ただし、仮に民主党政権が成立したとして、それをどう評価するかと言うところが
今一つ不鮮明な気がします。
原さん曰く、中間的政権、、ですか。僕はやはり保守政権と思いますよ。しかし、
それだと何ら進歩的意義がないように聞こえるので、中間的政権と呼びたいというと
ころでしょうか。
僕は、よりましな政権というもの以外に、よりましでもないが、保守政権の一種に
はちがいないが、より弱体な政権という言い方をするべきではないかと思います。以
前にも述べましたが、民主党の方が、その支持基盤を見ると、自民公明連立政権より
もはるかに弱体であることが明らかだと思います。だから、彼らが、どういう政策を
掲げても、(自民と変わらなくても)民主勢力にとっては、より有利であると言いう
るわけです。
これは何か卑近な言い方過ぎて嫌われる言い方かなとも思いますがより真実をつい
ていると思いますので、こういう言い方というか概念をキチンと定式化して使ったほ
うがいいんじゃないかと思います。
より弱体な保守政権、、どうでしょうか。
次にでは民主党政権ができた後に、共産党の方も自己変革を遂げていなければなら
ない、、という指摘ですが、ではどう自己変革をとげるべきなのか、、と言う問題が
あります。
この問題では人文学徒さんが昨年秋頃の投稿の中で問題提起していました。あの提
案は議論を活性化するためにちょっと過激に過ぎるかなというきらいがあるような気
がしますが、それも人文学徒さんの狙いなんでしょうね。
僕は、現在、暴力革命唯一論を採る銀河さんに対して、ではあなたは革命成就後に
どんな社会を展望しているのか、と問題提起しているところです。
私が、銀河さんを選んだのは、彼の例が最も分かりやすいと思ったからです。
革命だマルクスだレーニンだと大言壮語(失礼!)するが、じゃあ一体どんな社会
を築こうとしているのか、現実的なものなのか今よりははるかに豊かで幸福な社会な
のか(そうなるのが当たり前でしょ?そうするために頑張っているんでしょ?)とい
う訳です。
実にそのことがハッキリしない為に、公明党の謀略ビラなんぞにそこを衝かれてすっ
かりやられちゃったのだと思いますよ。
その辺のところは、実は原さんだけでなく、編集部の皆さんともいやいや読者の皆
さん全体で議論百出の大討論をするべきじゃないかと思います。そういうなかで、マ
ルクス エンゲルス レーニン等の歴史的評価と位置づけや革命論国家論等が煮詰まっ
てくるんじゃないでしょうか。
原さんがしばしばレーニンの採用した戦術に対して言及しながら、自らの主張をし
ていますが、それが的確で科学的であればあるほど、
では貴方がたの変革はどういうものなのか、国民(人民でもよい)をどこに導こう
とするものなのか、という戦略いやいや、もっと上の総戦略総路線(綱領路線ですね、
つまり)を明確に提示できなければならないと思います。
その点は銀河さんは反面教師としては実にわかりやすいのです。(失礼!)
今のところ、銀河さんの提出した社会モデルは(言及が少なすぎるが)なんともお
どろおどろしい真っ暗闇の未来社会だと私は思います。これからの展開はどうなるの
かはわかりませんが。
私自身はレーニンをよく研究した訳でもなんでもありませんが、マルクスやレーニ
ンも徹底的に批判されねばならないと思います。
彼らを現代に生かそうとするなら、当然の事だと思います。
そうしなければ、本人の意図に反して、実社会の中ではとんでもない反動的役割を
ひたすら果たし続けるということがあるのだと思います。非マルクス的潮流の果たし
てきた役割実績との比較が重要だと思います。私が言う未来社会とは今後100年く
らい、つまり21世紀を展望してと言う事です。22世紀や23世紀のことはこの際
対象外ということで皆さん納得できるのではないでしょうか。
私自身は高度に発達成熟した社会民主主義路線を国民の支持のもとに実践し、連続
的に社会を民主的に変革し続けている北欧諸国、とりわけ、スエーデン(フィンラン
ドも)の例は日本がどういう社会であるべきか、我々はどういう未来社会の展望を持
つべきか、そして実際に実現可能な展望なのか、と言う問いに対して、大いなる示唆
を与えるものであると思います。
ロシア革命とその後のソ連の歴史とその崩壊と比較してみるとレーニン(スターリ
ンは勿論だが)やトロッキーやボリシェビキが歴史的にどういう役割を果たしたのか
がよくわかるのではないでしょうか。スエーデンは第一次大戦にも第二次大戦にも中
立を貫き、よく言われる、社民の裏切りともスエーデン社民党は無縁な存在です。
1932年(だったかな)の政権獲得以来73年間のうち、2回、合計9年間野党
だったが、残りの64年間はずっと政権を担い続けており、その歴史的時間的長さは
ソ連の成立から崩壊に至る時間的長さとほぼ同じです。成立の時期も十年程度遅いが、
似通っている。
更には、地理的にもバルト海をはさんで隣国です。フィンランドはロシア革命の結
果独立を勝ち取った国で、実はバルト3国ではなくて、バルト4国というべき立場の
国です。勿論独立したばかりの頃は貧しい国だったハズです。(ロシアの属国植民地
だった!)
しかし、これらの国は今や、世界最富裕国であり、世界で最も民主的な国、社会保
障社会福祉が最も進んだ国として知られています。
マルクスやエンゲルスの理想にもっとも近い国といってもいいでしょう。(皮肉な
ことに非マルクス主義の路線だった!)しかし、ロシアはどうだったか、、原さん、
レーニンばかりに目を向けずスエーデンやフィンランドにもっと目をむけてはどうで
しょうか。
レーニンは天才的な戦術家ではあっても、その総戦略総路線としてはスエーデンや
フィンランドの歩んだ路線と比較すると、随分多くの誤りがあったように思えますが
ね。それは、資本主義経済社会の分析家としてのマルクスやエンゲルスの偉大な功績
と共に、革命家としての彼らの欠陥をも浮き立たせるものかも知れません。