私の長男は、5年前に北京の大学に入学し昨年卒業しました。現在北京で通訳
の仕事をしております。それで、中国の現状については多少知っているつもりです。
今中国では、資本主義真っ只中という感じで人々は拝金主義になっています。もと
もと中国では賄賂が当たり前という社会です。その上一党独裁で、情報公開もされな
いで法律も勝手にくるくる変わったりします。公害もひどく住民との大きな衝突があっ
ても報道されません。権力の側にとって都合の悪いことは隠蔽されます。官僚の不正
は日本の比ではありません。また、公安・警察自体がマフィア(日本のヤクザ)みた
いなことを平気でしています。日本共産党がもし中国に存在したら、不正の追及で大
忙しになるでしょう。
長男が大学在学中に、ハノイ大学を卒業して、中国の息子と同じ大学に留学してき
たベトナム人のクラスメートからベトナムの事を聞くと、中国と同じような問題がベ
トナムにもあるそうです。
ところが、日本共産党綱領によれば、そういう中国やベトナムが社会主義を目指し
ている国々にあたると言うことです。全く理解しがたいことなので、この前の綱領改
正時その根拠を共産党に聞いてみましたが、その根拠を何一つ明示しないで〔ふたた
び科学の目を語る〕という本を読めといわれました。
そして、その本を読みましたが、その根拠は何も示されていませんでした。中国で
は社会主義の初級段階を卒業するのに百年かかる見通しだとか、北京の中関村にある
ハイテク企業の設立に、科学院や北京大学や清華大学が絡んでいるので注目している
とか、そういう内容でなんら根拠は示されてなく、共産党(実質不破氏)がそういう
判断をしているというだけでした。その根拠が聞きたいのに!
共産党(実質不破氏)がそういう背景には、以前社会主義国が世界の人口でも面積
でも三分の一以上を占めていると長い間言ってきたが、今はとてもそのように言えな
くなって、負け惜しみで、控えめに中国やベトナムを持ち出しているという感じがし
ます。
現在先進国といわれる国々は、帝国主義の経験を経て不完全ながらも市場経済を民
主的にコントロールして資本主義の崩壊を防ぎ、社会保障制度など社会主義的要素を
多く取り入れています。
社会主義の看板の国々より、日本やヨーロッパ諸国特に北欧の国々のほうがよっぽ
ど社会主義に近づいていると私は思います。皆さんのお考えはいかがでしょうか?