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「現状分析と対抗戦略」討論欄

日本共産党指導部への批判に想うこと~原仙作氏への質問~

2005/11/12 千坂史郎 50代

原さん、
 ご返事をありがとうございます。
 貴兄の私宛の返事を拝読して感じたことから、三つのことを質問させてください。

1.あなたさまは宮本顕治元共産党議長と現在の日本共産党執行部とをどのようにとらえていらっしゃいますか。

 私は、日本共産党をあれだけ組織的に拡大しながらも、新日和見主義 事件や原水協分裂事件などにおいて宮本氏が果たした否定的指導は 決して否定できないと考えています。
 あの頃に、もし上田耕一郎氏が日本共産党の首脳なら、もっとリベラルな 指導をおこなっただろう、と思いました。その後に、上田氏を否定的に みなす見解や非難がいくつかのところからあがりましたが、私は宮本氏 に比べて上田氏の政治的リベラルさは明確と思います。

2.あなた様がおっしゃる「不破、志位、市田ら指導部のやりかた」に ついての批判は了解できます。では同じ兄弟でありながら、指導部から 離れている上田氏と不破氏との係わり合いをどのように把握していらっ しゃいますか。上田氏の政治的力量は、日本共産党においては充分に保 障されていないのか、あるいは上田氏と不破氏が分担しつつ、実際には 同類項なのか、そこが鮮明にわかりません。

 私は、現在の組織的低迷はあるにせよ、宮本顕治氏の指導下にあった時期と 現在と比較すると、兵本達吉氏や筆坂秀世氏の処分問題における指導部の 対応の未熟さはあるものの、宮本氏時代よりもひどくなり悪化したとは思い ません。ある意味では同質の問題が継続していると思います。

3.あなたはこうおっしゃいます。

「指導者が巨大与党の誕生を許すていたらくでも、この党が何とか 保っているのは一重に一般党員の奮闘のたまものなのです。そのこ とは市町村選と国政選挙を比べればわかることなのです。 小選挙区導入以前でも国政選挙では長期低落ですが市町村選では前 進してきたのです。力量を高めなければならないのは党の指導者達 なのです。この党の指導者たちの頭の中ではすべてが逆立ちしてい ます。教えられなければならないのは一般党員ではなく、相変わら ず前衛党のトンガリ帽子をかぶった指導者たちなのです。 これでは9条改憲を撃滅する効果的なたたかいができないのです。」

と。

 私は、敵と味方の力関係を見極めながら考えなければ、こちらがわの 否定的側面を全面的に清算しさってしまう危険性をもつと考えます。 数々の弾圧立法や強権的政策のあい続く強行突破。
 それと闘う上で、「不破、志位、市田ら」を全面交代して指導部を 民主党のように公開で選挙で変えれば、日本共産党は強大な党に 生まれ変わる可能性があるとお考えですか。

 私は、指導部を変えてもそれほど期待できると考えていません。
 むしろ、いま求められているのは、後退を余儀なくさせられている 局面で、後退しつつも、連携を強め、抵抗の闘いをやむことなく 持続させる主体の形成だと思います。
 私は、30年間ほど川崎市長選を見てきました。
 市町村レベルでも、これでよいのか、と思うような党派主義や独善性も 眺めてきました。社民党や生活クラブ生協と共闘して戦うことで 局面を打開できるときでさえ、共産党だけが正しいとして行動して、 とうとうネオコン派市長の当選を許し、二期目も敗北しました。
 逆立ちしたているのは、指導部も市町村選の主体となった支部も あまり変わっていません。
 指導部でも一般下部党員でも、いまの困難な状況を打開するかでは 変わらぬ特質をもっていると考えます。
 「お上頼み」や「下部通達主義」。まずは自らの状況判断や責任主体 を形成することでしょう。私は共産党員ではありませんが、この国の 「救国や革新」を考えるならば、日本共産党を重要な一員とする 「統一と協同」のテーブルについた共闘の運動と主体形成でしょう。
 その点では「九条の会」も革マルと批判される「九条連」も含めて 強大権力と闘う抵抗勢力の結集でしょう。