10月24日付け「ユーラシア新世紀」のホームページで藤
村幹雄氏が「日本より深刻、ロシアの人口減」という文章を書
いている。
それによれば、
〈人口減少社会に入りつつある日本以上に人口減が深刻なの がロシアだ。少子化や短い平均寿命により、1992年をピー クに人口は毎年70万-80万人減少。このペースが続けば、 現在1億4300万人の人口が40年後には1億人を切ると予 想されている。〉
のだそうだ。ロシアの男性の平均寿命は男性が59歳、女性が
72歳で、日本や欧州の長寿国より男性で19歳、女性で13
歳短い。「40年前は2歳程度の差だったが、格差が拡大し」
たのだ。
以前にテレビ番組で、ロシアの経済事情が述べられる中で、
ロシアはソ連邦が解体されて以降、いびつな資本主義化の中で
、平均寿命が下がっている。新資本家たちも、生産的というよ
りは、マフィア的な利権で儲けていて、彼らも刹那的な生活で
、太く短く生きるから早死にするのだというのを見たことはあ
って、知ってはいたが、これほどすさまじいとは、思わなかっ
た。
〈飲酒やストレス、衛生・健康問題で男性の平均寿命は第三 世界並みだ。ヤコブレフ地域発展相は「40-50年後には、 人口は現在の3分の2に減り、19世紀末期の水準になる」と 警告した。
同相によれば、ロシアの昨年の合計特殊出生率は、日本(1 .29人)より低い1.25人。昨年登録された中絶件数が1 60万件に上り、新生児の誕生を上回った。出産可能年齢の女 性のうち不妊症が600万人に上り、15%のカップルに子供 がいないという。〉
〈人口減は、旧ソ連欧州部や東欧という「冷戦の敗者」に共
通する現象〉である現実を冷静に考えてみれば、豊かさと人々
を生かす力でいえば、文句なしに、資本主義より社会主義の方
が上だったという証拠である。もちろん、それはイデーの力で
はなく、事実として存在した生産と分配のシステムによってい
たのだし、また社会主義の国際的な経済連関というものがあっ
てのことだ。
ロシアの諸民の活きる道は、1917年のロシア革命の志にたち
もどって、社会主義をやり直すということ以外にはないのだと
思う。革命記念日を廃止し、400年も前の帝政の成立を祝う祝
日をつくってしまうプーチン政権をみると、それとは全く逆だ
けれど。