「現状分析と対抗戦略」討論欄

やすしさん、スカンジナビアンさんへ

2005/12/21 パルタ３０代会社員

やすしさん＞現在は不完全ながらも民主主義が機能しているので、資本主義の矛盾が取り返しのつかなくなる前に改善されます。それが出来なくなれば一揆や暴動もおこるでしょう。そういう状態の時議会主義にしがみ付くのはおかしい。しかし今はそのような状態ではないですよね。
＞日本は世界の中でみればまだまだ本当に豊かで平和な国です。一応不完全ながらも民主主義が機能し、福祉や社会保障制度も社会主義の看板の国々より進んでいます。

　そのような基盤が全面的に崩されようとしている時だからこそ、真面目に革命について議論しあうべきなのではないでしょうか？
　今は全面的な危機なのです。あらゆる領域にファッショ的な価値観が侵入しており、革新勢力は抹殺をはかられようとしています。リベラル化した左翼は中華思想諸悪根源論や北朝鮮武力征伐論を振りまく極右ファシストの論理に民主化の名目で取り込まれています。思想的反動化は学校現場でもマスコミでも起こってます。福岡県の学校では徴兵に反対した生徒を「非国民である」とした教師がいましたが、教育委員会も校長も問題にしていません。というより教育委員会・校長・教師がグルになって、「生徒の愛国心を試す」ために「徴兵されたらどうするか」の質問をしたのではないでしょうか？
　欠陥住宅やマンションは購入した後は後の祭りになる可能性だってある。業者が行方をくらましたらどうするのですか？
　危機になれば日本国民は立ち上がる？私達の安全・教育・医療が極めて危うい状況の中で本当に危機意識を持った頃には手遅れになっているでしょう。あっちこっちで水漏れが起きているのに気づかなければ船は沈没してしまいますが、今や自分以外の誰かが危機を感じて行動することを期待できる状況ではないのです。
　教育現場の混乱に対して、解雇された教員はあっても責任を取った文部官僚はいない。
　現状肯定主義ではなく、現在の若者が何故凶悪犯罪に走るのか真面目に考察されねばなりません。右からの解決案は更なる精神的圧迫を我々にもたらすでしょう。凶悪犯罪に限らず、違法建築であれ、失業問題であれ、農業問題であれ、中国の公害・労働争議であれ、革新勢力が手をこまねいていれば、ファシスト側からさらなる過酷な解決案が提示されるのです。現状のままでも悪いのですが、現状のままでとどまらず、今後全てが更に悪くなる可能性がある。こんな中で自分の背中にナイフが突き刺されて犯罪被害者になるまで「なあなあ」の態度で全てを済ませる訳にはいかないのです。
　表面的な事象ではなく、水面下の危険なイデオロギー的動向にも、もっと目を向けるべきでしょう。そうすれば、明らかに権力側が思想的に革新勢力を抹殺し、「問題があったら立ち上がる」ことすら考えられない、寒くなってもコートを着ずにすっ裸でいるような国民にしようとしていることが分かるでしょう。「寒くなってもお国のためにすっ裸でいる」精神を説くことが特攻隊肯定のイデオロギーなのですよ。そして、すでに国民の少なからぬ部分が取り込まれているのです。
　「今の日本が悪いのは朝鮮人と中国人と左翼・戦後教育と平和憲法のせいだ」という訳です。
　今の日本国民は個人志向が強く、生活が困窮したら社会変革ではなく凶悪犯罪や自殺・心中に走る人が多いです。「寒くなったら隣人を刺す」ようなお寒い日本の現状を救うと称してファシストが更に社会を寒くするというのが今の日本の現状です。