全国党員のみなさま並びに国民階層および諸民族のみなさま
こんにちは。赤いたぬきです。
日本共産党員のみなさまにおかれましては第25回党大会へ
向けての議案書読み合わせと各地区、支部での討論が開始され
ていると思います。ちなみに私の支部での討論は、ほぼ不可能
な状態です(笑)。なんせ支部のメンバーはまともに読んでな
いし、多分理解も出来ないと思いますので...。ほぼ念仏を
唱えるような儀式になってしまうと思います。まあ左翼にはよ
くあることですが...。
さて今回は25回党大会の事ではなく、もっと一般的なお話
をさせていただきます。
ところで我が日本共産党の政策を知る非党員の方や党員の方
々にとって日本共産党の政策はどのように映るでしょうか?じ
つは私には分からないのです。自分の党のことなのに...。
それで前回この投稿欄にそのような趣旨の内容を投稿させてい
ただきました。その後綱領を読んでみたのですがそれでもよく
分からない。何か煙に巻かれたような感じを受けるのみでした
(ルールある資本主義と対米自立だけは理解しました。その基
本的な部分は理解と賛同できます)。
そこで非党員の方々や「市民派」の皆様には知名度が高い渡
辺治先生の主張をとりあえずは我が日本共産党の主張と「みな
す」ことにしました。中央委員会の主張とは違うかもしれませ
んが中央からは明確な形で提起されていないので仕方ありませ
ん。
さて渡辺治先生ですが、先生は簡単に言えば大企業に対する民
主的規制と米国からの独立による自主外交権の確立をとおした
「福祉国家」を作るという対抗戦略を構想されておられます。
雑誌「ポリティーク」や「世界」などに執筆されています。
私もこの福祉国家戦略には賛成しているのですが、そのために
はその内容をしっかりと吟味して現実の形と比較検討して実現
を目指さなければいけないと思っています。つまりたんなる理
想論ではいけないということです。
具体的には、福祉国家では、ここではスウェーデンを例にしま
すが、①消費税はべらぼうに高く、②給料は安く、③成長率は
2~3%必要、④財政赤字はあまり多くない。の4つが必要で
す。今の日本ではどうでしょうか?
我が日本共産党が主張するように法人税の低さ(この20年で
とても下がりましたね)も問題ですが、法人税を増税しただけ
では、巨額の赤字国債や増えつづける社会保障費に対応するの
は不可能です。また少子高齢化社会の中で生産性を上昇させる
のは非常に困難です。つまり、一般的な条件としては福祉国家
を選択するのは困難な傾向に現在あるということです。そして
この傾向は時間がたてばたつほど強化されるということです。
まずはこの事実を事実として直視する必要があると思います。
しかし、その事実を踏まえた上で、でも福祉国家が必要である
と主張することが我が日本共産党には必要であり、また我が日
本共産党にしか出来ないことであると思います。もちろん、賃
金は下がり、消費税は上がり、場合によっては所得税もあがる
でしょう(累進課税を強化したとしてもです)。そして国民か
らは最初は猛烈な反対の声が聞かれるでしょう。
しかし、このような大胆な提案を行わない限り、日本の経済状
態の悪化に後押しされた新自由主義的政策は必ず再び今度はよ
り一層巨大な力として登場するでしょう。赤字国債の額と生産
性の低さはそれを予兆しています。
そしてそのような新自由主義的な政策は社会的弱者を下から順
序に食い物にしていくでしょう。
そのような事はなんとしてでも防がねばなりませんし、そのよ
うな事を防ぐことが言葉の真の意味での「前衛」の役割でしょ
う。今度こそ国民への多大な被害を防がねばなりません。
今必要なのは福祉国家の現実的な分析です。経済規模に対する
社会保障費の割合、成長率や人口の年齢別構成の比較など、現
実的に計測可能なものを徹底的に計測することです。そしてそ
の内容を国民各層に徹底周知することです。正しい情報を広く
広めることです。
そして具体的な数字によって路線は政策に変わることが出来ま
す。我が日本共産党のように優秀な人々が多数存在する政党に
おいては、そのような統計をを作成することは難しいことでは
ないと思います。
科学的社会主義は間違いです。社会主義は思想です。共産主義
だってそうです。資本論は科学を目指しましたが、経済学が科
学かどうかは分かりません。ただ、世の中は設計するには複雑
すぎますし、まあ計算とおりにはいかないものです。しかしあ
る程度の計算と予測、そしてそれに基づく対応を考え実行する
ことは可能です。
また大企業と米国からの自立を果たした後の展望について、も
うそろそろ真剣に検討するべき時期でしょう。既に「社会革命
」や「計画経済」を夢想する時期でないことは懸命&賢明な党
員のみなさまにはご理解いただけると思います。
市場との共存と公共の福祉の前進という両軸を、市民社会の健
全な発展というエンジンで進める以外には左派の選択肢はない
ように思われます。そのためには国民各層の方々に事実と選択
肢、そして選択肢にっかかる負担と得るものの説明が大切にな
ると思います。また党が選択する政策について、党としてどの
ような覚悟と決意を持ち、つまり責任を持つのかを明らかにす
る必要があると思います。
一部の資本家に生産手段が独占されている時代はとっくに過ぎ
ています。もはや労働者管理資本主義といっていい時代だと思
います。問題は労働者間の格差と不平等な競争条件などにある
と思います。そのような中でどのように人間としての諸権利を
互いに保障し、尊重し合える人間関係を構築するのか(これら
がつまり公共の福祉ですが)、また私たちの生存に必要な物質
調達の方法において競争的な市場が(むろん全てではありませ
んが)優れているという歴史的事実から、競争的な市場の保障
はそれ自体既に公共的(福祉という名前をつける必要はないと
しても)な性格を有していると考えます(左派では一般に市場
の公共性は規制を意味しますが、私は自由市場は現実社会の物
質的基礎の調達において優れているとの考えから、むしろ自由
市場こそ公共性そのものであると考えています)ので、その公
共性を保障するのかであると思います。つまりキーワードは公
共の福祉と公共性です。
長々と駄文を書いてしまいましたが、皆様のご意見やご感想を
お待ちしております。
少しでも社会を良くしたいとお考えの同志党員の皆様に何某か
伝われば本望です。
寒い時期になりました。お体ご自愛くださいませ。