MOMO800です。 永年党員です。
赤いたぬきさんが書かれた以下のところに反応しました。
科学的社会主義は間違いです。社会主義は思想です。
以前、加藤周一さんから「3つの正しい」を言われました。
一つは「今、東京では雨が降っている」というたぐいのことで、容易に「正し
いか」「正しくないか」が確認できるもので、これは科学が扱う分野のもの。二
つ目は「1+1は正しい」などのもので、一定の公式を認めれば日本でもインド
でも「正しい」。三つ目は「構造改革は正しい」「人権尊重は正しい」などのも
ので、これは言っている人の価値観が混ざるものなので要注意である、というよ
うな趣旨のことです。同時に「科学的社会主義」という言葉についても、「科
学」と「思想」をくっつけているのはいかがなものか、との話もありました。も
ちろん、私など「空想から科学へ」に感動して入党していますから、少し反論し
たい気持ちもありましたが、よくよく考えれば、無理のある言葉ですよね、科学
的社会主義というのは。
もう一つの「大企業と米国から自立した後の展望を示すべき」には大賛成で、
同じことを支部総会で発言しました。私は「福祉国家」という姿より、まずは産
業政策だと思います。このあたり金子勝さんが「閉塞経済」(ちくま新書)のな
かで概略を指し示していて、私も共感しているのですが、エネルギー政策を化石
燃料と原子力依存から太陽エネルギーなどの自然再生エネルギーに抜本的に転換
します。そして自動車中心の産業から、農林漁業という一次産業を基本にしなが
ら、環境をキーワードにしたものづくりへと産業構造を転換します。
たとえば「大企業本位」という言葉をフィンランドで言っても「何言ってる
の?」です。フィンランドが産んだ世界的企業のノキアなくして今のフィンラン
ドはありません。ノキアはフィンランド国民の誇りです。今の日本でもトヨタや
キャノンを攻撃するのではなく、環境にも配慮して国民生活が豊かになるような
方向でないと儲からないような仕組みをつくり、その方向で企業が発展すること
をサポートすることが肝要だと思います。
このほかにも、どういう分野で優秀な人材を育て、雇用を生み出すのか(この
あたりはやはり教育と医療・介護・社会保障分野)など、大胆に打ち出すべきで
す。いじめ、学力低下は、30人以下の学級で教員の負担を減らすと同時に給与を
高くすることで優秀な人材が確保できるので簡単に解消できます。医療もキュー
バ方式にして、医療を輸出すれば世界中から尊敬が得られるでしょうし、何より
の国防力となるでしょう。
■社会発展にあわせて党組織も発展する
ついでに言ってしまうと、いまこそ「なるほど、そういう日本になったらいい
な」と国民の過半数の共感を得られるような政策が必要ですが、「将来は共産社
会」という綱領が国民の不安を呼ぶ、というのも悲しい事実です。マルクスによ
れば、上部構造は下部構造に規定されます。人びとの意識は、その時代の生産様
式に影響されざるを得ません。ということは、党員の意識すらも、その時代を反
映します。民主主義が未発達であれば、その党組織も影響されるでしょう。
ということで、党を社会の到達段階にあわせて発展させていく、という考え方
があると思います。資本制の経済システムのなかで「こういう社会を築く」とい
う現実に照らした党綱領をもった組織をつくって、そういう社会が定着したら、
次なる資本の社会的所有を目標にした党にすればいいのだと思います。
とりあえず、2010年初の「言いたい放題」でした。