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党員用討論欄

自分の言葉で語ることは出来ないのだろうか。

2000/1/17 地方議員、40代、地方議員

 二段階革命論に触れた投稿がありましたが、おっしゃるとおりです。
 民族民主統一戦線による民主主義革命はこれだけ取り上げても革命と呼ぶことは出来ない。なぜなら、革命の定義が「権力がある階級から別の階級に移行すること」であるからです。民主主義革命では権力は労働者階級に移りません。社会主義革命によって権力は移行するのです。従って、この二つの変革を通じての権力の移行を革命と呼ぶのであって、民主主義革命の言葉はそれ自体では本質を裏切っています。それゆえに二段階革命と称するのであって、この革命論によって民主主義的変革に過ぎないものを革命と呼ぶことが許されるのです。
 しかし、我が日本共産党は近年革命を語りません。社会主義について人々(党員)が議論するのを聞いたことがありません。「しんぶん赤旗」に踊るのは「日本改革論」なる言葉のみです。社会主義革命を語らないのであれば民主主義革命は成り立ちませんし、単なる社会民主主義政党に堕したと言われても仕方のない事態です。この変容とも言うべき党のたたずまいが、青年を遠くしているのであり、国民の信頼もいずれは失うことになるのです。共産党は飽くまで共産党でなければなりません。そのことによって人々と向き合うべきであって、選挙の票欲しさが丸見えの戦術は採るべきでないし、党員として私は極めて恥ずかしい思いに苛まれています。
 こうしたことに代表される党の堕落に気づいている人が党の内にも外にもたくさんいます。はっきり言って見透かされています。気づいていないのは自分の使う言葉に不注意な党員と機関だけではないでしょうか。中央の使う言葉を何の検証もなく口にするのは本来の共産党員のあり方ではありません。自らの哲学である弁証法とは縁もゆかりもない態度ではないでしょうか。もっと自分の言葉で語るべきです。そうすれば問題の本質まで考えざるを得ませんから、再び知性を持った共産党としてよみがえることが可能でしょう。
 日曜版に原田美枝子さんの記事が出ていますが、相も変わらず仕事も子育てもこなすスーパーウーマンとしてしか描いていません。あらかじめ想定した人物像を描くための質問をし、その想定に必要な言葉のみを取り上げて、取材する前から決めていた原稿を作っていったという過程が目に浮かぶようです。現実の原田さんはごく普通の人であり、仕事で多忙なためベビーシッターを頼むことも多いごく普通の母親です。自分の言葉で考えようとしないから「しんぶん赤旗」にはこの手のステレオタイプの記事があふれ、党員も読者もつきあいで取ってはいるけど読んではいないと言うことになってしまっているのです。悲しいことです。
 言葉を吟味して舌に乗せること、このことを忘れると嘘つきになり、他人の言葉で語るようになり、思考を停止することになるのです。実は、革命とはそうした作業から始まってゆくのではないかと思っています。人々は馬鹿ではありません。本気でその言葉を口にしているかどうかをじっと見定めています。嘘のない言葉、嘘のない活動、嘘のない生き方、わたしはこのように身を律していきたいのです。
 このページを見ている中央の方々、各級機関の方々、「しんぶん赤旗」編集部の方々、是非に是非にお考えいただきますように。