「団体職員・30代」の「北島まや」氏は、この間の大月書店の、革新的出版社としての役割の弱体化と変節を、真正面から受け止めずに、逆に「「古典」なんかよりも売れる本が出したいんだよ。」と開き直ったうえで、「理論的にっていうか、原理的にゆってるのはいわゆる「古典」だけだよねえ。」とその正当性を事実上認めている。
まさしく「理論=現実把握の方法」がいま、すべての活動家世代に求められているわけであり、これなしに現状変革は有り得ない。大月書店には、特別の役割と使命があってしかるべきであり、マルクス学の今日的再興にもっと力を注ぐべきである。(この点は青木書店・新日本出版社等も同じだ)
大学の講座から「マルクス的」講義が次々に変質・撤廃されているのは10年以上前かららしいが、それでも主要大学では必修・選択必修のレベルでもなお、残存しておりより現実性・実在的な焦点をこだわった「マルクス学」の継承が進められている。
一般大衆次元での、「売上」はたしかに燦燦たるものだが、真の経営の建て直しとは、レベルを一般書並にすることでなくまさに、全書店支部での建設的・有機的連関のもとでの根源的討議とボス支配の徹底排除、役員ポスト・報酬の「革命的な」削減、若手執筆者及び社員の育成等、なすべき事は沢山あるといって過言ではない。