1、軍隊の存在自体が他国への威嚇・圧力ですから、自衛隊があろうがなかろうが日本がそれにさらされるのはおおいにありえます。しかし、所詮圧力はデモンストレーションに過ぎません。
2、問題が軍隊なき「革命国家」が成立しうるかということです。実際ロシア革命でもボルシェビキ政府は帝国主義列強の干渉戦争によって、敗北寸前まで追いこまれました。日本でも同じ可能性がないとはいえません。その際多少の軍隊を日本が持っていたとしても、あっというまに撃破されるでしょう。それぐらい日米の軍事力の差は開いています。
こうした他国の干渉を抑止、もしくは撃破するためには、対抗する軍事力を増強するのではなく、国際的な世論を喚起することが必要と思われます。ロシア革命への干渉戦争も、ボルシェビキが勝利し得たのはその軍事力によってというよりも、フランス・戦艦クロインシュタットの反乱などの列強軍隊内部のロシア革命への呼応や、軍隊、一般市民の間への反戦機運の広がりが、列強の動揺を生んだことが大きかったといわれています。
それは現在でもあてはまることで、革命国家に対する国際的な連帯と信頼を確保することこそが、武力介入を抑止する最大の力になると思います。さらにいえば、革命の正当性を確保する上でも、軍隊を持っていないということは相当なプラスになると思います。
一九世紀と違い、現代の戦争は国民国家構成員の支持なくしては戦争は行なえません。それは「ハイテク戦争」でも変わらぬことです。我々に現在必要なのは、憲法9条を「現実主義化」することではなく、国際的な反戦運動と共同し、先進国による武力行使を許さない世論を国内外で広げていくことだと思います。