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党員用討論欄

新世紀の労働運動がここからスタートするなら、それもよし!と思いました

2001/1/28 火花

 「闘争団は受入賛成と反対に割れている」知り合いの闘争団員にこの話しを聞いた時、とてもやり切れない思いに駆られた。電話口の向こうで「負けた訳ではない・・・・、負けた訳では・・」との声を聞いた時、その人の気持ちを思い、自分の情勢認識がいかに薄っぺらかを恥じ「みなさんの判断を支持します」とのいい加減な返事をして受話器を置いた。
 ただ、一人の人間として今回の臨時大会にはどうしても行かなければならないとの気持ちを押さえられなくなる。党が指令しなくとも、変わった人と思われようと、誰が行けと指示しなくとも自分の心にしたがって行動しよう。戦後労働運動を牽引してきた国労の死と新たな労働運動の誕生をこの目に焼き付けてこよう。自分がささやかながら支援し関心を寄せてきた国鉄闘争を抹殺しようとする勢力を見てやりたい。そして、闘争団と共に闘いたい、後で後悔したくない。参加した思いはこれ以上でも以下でもなかった気がする。
 朝9:00頃社文前に到着すると入り口は機動隊により完全封鎖され厳重な検問態勢がしかれていた。事前に予測していた事なのでそれ程驚きはなかったが、「組合の方針を決定する大会から当事者である闘争団員を排除する為に機動隊を導入する国労現執行部の腐敗と堕落ぶりには怒りよりも哀れみを感じ、なによりも機動隊出動にかかる当日費用は闘争団員を含む組合員の組合費から支出されている事を知るに及んで「お前ら何やってるのか解っているのか!」と国労執行部に対する怒りを心の中で叫んでいた。
 また、そうまでして通そうとする「四党合意」の内容たるや何の保障も無い全面降伏に等しい内容であり、解決金が1人当たり80万円等信じられない内容なのだという。
 吹雪の中社文前に結集した闘争団・支援労組・団体・個人は約300~400人程、〇〇〇系団体(一応こう呼びます)の姿は見えない・・居ないのが当然なのかもしれないが酷く悲しい(この大会は決して他団体の問題で済まされる大会ではないだろうに・・・、しかし全労連との共闘が成立していることはこれを読むみなさんには知っていて欲しい)。
 当日の為に用意して来た物を差し入れようと近場にいた国労組合員に声を掛けると「大会会場にいる仲間に見せたいからビルに向かってかざして欲しい」と言われる、言われるままに掲げると3階の窓から代議員らしき人達がこちらに気がついてくれたようである。本当に嬉しい一瞬だった。なんとか闘争団の人達に出会い「物」を手渡す。「みなさんを応援する人間はまだ大勢いるんだ!」このことを 伝えたい一心で現場に持ち込んだ「物」だった。
 現場は連続するシュプレヒコールの叫びと機動隊による規制、大会途中経過報告の繰り返しであった。昼前には靴の中はずぶ濡れ、寒さで頭の中は白く成りはじめる。でも立ち去る事は出来ない、この大会を最期まで見届けなくては・・。
 「4党合意を粉砕するぞ!」
 「我々は最期まで闘うぞ!」
 「機動隊は帰れ!」
 「こんな大会は認めないぞ!」
 シュプレヒコールを繰り返しながら「何故俺はここに居るんだろう?」「色々理屈つけてるけどただの野次馬なのでは?」との考えが頭をめぐる。
 その中で「人の人生を勝手に決めるな!」のコールが響いた、「そうだ!」「俺が今日ここに来た理由はこれだったんだ」「力のあるものが力の無い者を踏みつけにする」「所は違えど現代社会のあらゆる場面で繰り広げられるこの構造に反撃したかったんだ」と自分が日本共産党に入党した原点もこれだったのだということに気がつく(そこからあまり成長して居ませんが・・・)(笑)そして今の日本共産党の現状に泣いた瞬間だった。
 午後四時前、会場内では闘争団が提出した修正動議が予定通り否決されて行く、「四党合意」受入が決まる瞬間が刻一刻と迫ってくる。傍らに立つ国労青年部員と言う人が「僕は本当に情けない、恥ずかしい、残念だ・・・・」と呟く声が聞こえた。
 私はただ会場内に向けてシュプレヒコールを繰り返し続ける、今出来ることがこれしかないならば精一杯声を出すしかない、これは新たな運動の産声なんだと寒さと疲労の為、訳の分からない事を考えていた事を今思い出す(笑)。
 そして午後四時過ぎ「四党合意」受入が一票投票により決まった事が集まった人々に報告される。抗議のシュプレヒコールが渦巻く中私は予想していた事なのに呆然と高架の底を見上げていた。
 闘争団の人に話しかけると「こうなる事は予測していました! 労働組合運動としての国鉄闘争はある意味今日終わりました。」「私達はこうした事態への対応も取って来たので大丈夫です、スッキリしました」「今日ここから社会運動としての国鉄闘争が始まるんです!」「これからも支援宜しくお願いします!」との返事、私も「よし!行きましょう!」と応える。
 その後も立候補受付を巡るトラブル等の出来事があったが感想としてはこれぐらいにしておきます。最期に集まった人々と闘争団との総括報告が行なわれこの日の行動は終了した、新たな運動の可能性を芽吹せながら。
 これを読んでいるみなさん! これからは闘争団自身による闘いが始まります! 新たな支援体制で闘争団を支えて行きましょう! 物販・カンパは国労を通さず、直接闘争団から買いましょう! そしてそれぞれの居場所から闘争団と共に頑張りましょう!
 今、現場に集まった人々の顔ぶれを思い返すとそこには所謂メジャーな組合は居なかった、多くは初めて名前を聞くような(コメンネ!悪意はないです)中小企業労組・地域労組・市民グループであり、現代社会を席捲するグローバリゼーションの被害を最も受けている部分が結集していた様に感じた。(党員の方達はあれはトロばっかりだと言うでしょうが決してそれだけではないでしょう)、またインターネットにより結集してきた人々の存在もあり、この道具がこれからの運動にどのような影響を与えるかも注目・研究する価値が大きいと思う。これまで戦後労働運動を牽引してきたメジャーな労働組合が働く者の権利を守り発展させるとの本来の存在意義を急速に失いつつある今、組織は小さくとも機動力と強固な目的意識を持ったこれら組合や自覚的市民グループが闘争団支援に集まったことはこれからの運動の方向を明確に指し示している様に感じた。(現実はかなり厳しい事はしってますが)これからの運動がここから始まるのならヨシ! 乱暴ですがわたしの感想です。
 最期に、今赤旗28日版を読んでいます、臨時大会についての記事は二面に「ILO勧告に沿い早期解決を」と小さく報道されています。闘争団切り捨てに対して何のコメントもありません・・、ILO2次勧告がどんな内容か知っててこんな事いってるのでしょうか? 今回の大会で主体的役割を果した上村副委員長は我々の同志じゃないですか、この問題に対する党の方針はどうなってしまったんですか?
 組織とは道具であり、労働組合や党はそこに結集する構成員の自己実現を図る為に存在している道具であるはずです。もし、そこが逆転してしまえば、つまりその道具が構成員の意思に反して機能した場合、今回端的に表れたように害悪を撒き散らす存在へと転化することは明らかです。(道具に意思は無く使う者によることは当然です)
 今回、一連の動きの中で私が党員でいる理由は・・・・・もう居るべき所では無いかなと考えています。