日本共産党ただ1党で、日本に変革をするには、ちょっと数が足りそうもありません。かといって、無原則的な共闘の名に恥じない行動を幅広く追求することも、現段階では、ちょっと困難ですね。反対に山本さんのご意見をいただき、参考にさせていただきたいという気持ちがあります。
社民党は、旧社会党時代から、万年野党として反対反対と威勢良く声を張り上げてきました。しかし、その実どうだったでしょうか。反対の声も、委員会での質問が途中で打ち切られ、委員長席まで詰め寄る姿は抵抗政党の第一人者に見えたかもしれません。ところが、自民党の歴代の委員会の委員長の著書などで紹介されているとおり、お金が動いたりマージャンでわざと負けたりしたら翌日から態度が変わったりと、情けなかったとは思いませんか。委員会の強行採決の場でも、写真は緊張感が薄いと一般誌にも書かれていました。そして8党派連立の細川内閣では、小選挙区制の導入に道を開いて通してしまい、自民社会さきがけという、およそ万人が考え付かないような連立政権を作り、安保賛成なんでもありの社会党になってしまい民主リベラル新党なるものを作る提起をし、民主とリベラルの日本語訳をして、逆さにすると自由民主党、これでは、国民の支持どころか党員も減ったのではないでしょうか。地方政治では、79年の社公合意で、いわゆる自社公民という共産党を完全に締め出す行動をとりました。革新自治体として住民本位の地方政治も投げ出して、自民党流のゼネコン政治の地方持込を許し、地方財政に多大なる損害を与えてきました。あるとき、自民党の宣伝カーが、みんなそろって自社公民とアナウンスして走っていったのを目撃しました。永田町内でけんかして、外へ出たら、お手手つないでで、どこが万年反対党でしょうか。
そして今、大半の議員と支持母体を民主党に持っていかれ、悪戦苦闘していますが、土井党首の指導のもと、やや力を盛り返しつつありますが、それでも、やっと護憲や安保に対する村山氏の方針転換に対して、総括をはじめたようです。国会内での4野党の院内共闘も、自民党政治の打破で一致していますが、肝心の憲法観、国家観で、意見が一致しているとは思われません。
また、参院選の3野党共闘も、個人的には4野党でやってほしいのですが、自由党のように公然とウルトラ右翼とどんな政策の一致の上に共闘するのでしょうか。
旧社会党は、見せ掛けの抵抗政党へ堕落し、事実上の倒産で、社民党という名前で、今度はどんなパフォーマンスを出してくるでしょうか。憲法記念日の集会での日本共産党志位委員長と土井党首の対等な共闘が実現するようです。社民党のほうが、今は議席が少ないですから、共闘できるのでしょう。70年代の社会党は、日本共産党を馬の足のようにして、数々の協定違反を繰り返してきました。そういう経過があります。
日本共産党も、一見何でも反対のように描き出されますが、法案への賛成率は6割以上です。長野県議会でも、田中知事の予算案に賛成の立場をとりました。反対というのは、国民生活に多大なる負担と影響を与え、国民の願う平和な日本を守っていくのにさまたげとなる、大変重要な法案であって、古くは、安保から国鉄の値上げ、医療改悪などの諸問題です。何でもかんでも反対しているわけではないのです。
最近、衆参両院での代表質問などが、以前のような追及だけでなしに一定の政策提案型に変わってきていますが、そのあたりは、ご存知でしょうか。さまざまな委員会での提案と審議によって、確実に国民の生活にプラスの面をもたらしています。たとえば、サービス残業と呼ばれている残業手当のつかない残業については、やめるようにという通達が、最近でしょうが、厚生労働省から出されました。そういう面も見ていただきたいと思います。
さて、小泉政権に日本共産党も、「さざ波通信」も反対していくのは、小泉首相の余りに右翼的な言動や行動にあります。自民党も変えよう、日本も変えよう、意気込みは伝わってきますし、女性閣僚を民間からも含めて登用しています。ご自身の出身も、神奈川の都会です。いわゆる、都市自民というかなり危険な存在だからでしょうか。参院選や都議選を乗り切れるという万全の体制を作りつつあります。改革しようとしても、その中身とプロセス、目指す結果が違えば批判するのは当たり前です。
4野党の選挙協力ですが、やってほしいと思います。同感です。ただ、国会議員選挙というものは、一人一人の議員が、一つ一つの政党が、いろいろなメニューを出して国民に問うものですから、たとえば、銀行や生命保険に対して公的資金という名の税金をどっとつぎ込み、あるいは憲法第9条をどうするかなど、4野党それぞれあいまいに共闘できない面も残念ながら、あります。志位委員長の言っているように、さわやかな政権論議を進めている場合ではないと、多くの同志も思っているだろうとは思いますが、水と油で政権を取ったとしても、予算や外交など、必ず不一致点が出てきて、たとえ4野党共闘が実現したとして、閣内不一致であれば内閣は持ちこたえられないでしょう。連立与党が野に下ったとしてそこを攻撃するばかりになりかねません。
いろいろと複雑で、わかりにくい面もあることは事実です。しかし、今大切なことは、4野党がもっと話し合って不一致点を克服していくことでしょう。時間はかかるかもしれません。その間に連立与党もいろいろとやってくるでしょう。それまでの時間をどう作っていくかは、私たち日本共産党と後援会、3野党の支持者たちや、自民党に違和感を持つ保守良識層が、院内でも院外でもがんばって連立与党の暴走を、国民運動として食い止めていくことにあると思います。
山本さんの、率直なご意見に対し、的確なお答えはなかなか難しいのですが、みんな、それぞれいろいろな思いと理想を持ちつつ、毎日がんばっているのです。また、率直なご意見を出していただき、この場でも多くの日本の将来を愁う人たちと意見交換をしていきたいと考えています。