まずは、現在の日本共産党の逆立ちぶりを端的に指摘しておきたい。
今日の日本共産党は、その規約・綱領を分かりやすく「改定」したり、不破哲三に従って革命理論をより確実にしたりすることによっては、もはやどうにもならない、もっと基本的な問題にぶつかっているのである。それは、革命そのものをどのように考えるか、党の役割をどのように考えるかの問題である。
現代の共産主義政党はレーニンの革命理論を見なおす必要がある。不破哲三の革命理論によるレーニン革命論の否定の面に眩惑されて、革命理論の本然の姿を見失って混乱に陥っているからである。事実は逆に、レーニン革命論の健康な面、建設的な面を反省することによって現代の日本革命論の論理構成へのより深い理解が得られるのである。
これが我が党の現状である。はっきり言えば、現状を否定することなしには日本における革命は不可能である。レーニンの健康な面を否定し、誤った部分を正しいものと思いこんでおきながら、何が「発展」であるか。まさに、逆立ちしているものにとっては、正常な立ち方が「逆立ち」に見えるものである。
歴史上、修正主義者とされた人物や革命の指導者でありながら諸悪の根元のようにとらえられている人物も多い。彼等は確かに誤っていた。それは日本共産党も分かっている。しかし、その誤りがどのようにして生まれたのか、という問に対しては論理的な回答が与えられていないように思う。スターリンや毛沢東の誤りが、実はレーニンの原理的な踏み外しによってもたらされたものであるということは、ほとんどの者に知られていない。ベルンシュタインを否定的に評価しながら、自ら知らず知らずのうちにベルンシュタイン主義に陥っている者、『反デューリング論』を読んだにもかかわらずデューリング病におかされている者、こういった人々は、一般的にいって、過程を扱う能力に欠けているのである。
私は現在の日本共産党は、根本的に誤っていると考えている。分かりやすい例を挙げれば、我が党は現在、天動説を唱えているようなものである。逆立ちしているのである。どこからこの逆立ちが始まったのか? 私は第7~8回党大会で確立された党綱領自体にその遠因にして最大の根本的な原因を求めている。
ここで一つの反論が予想される。それは、「それならおまえは党綱領を認めていないことになるではないか」という反論である。この反論は正しい、つまり、私は党綱領を認めていない。大多数の党員と同じく、私も党綱領の内容を理解する前に入党したのだから仕方がない、ということも一応は言えるが、もっと根本的な問題がある。それは、革命政党の綱領は如何にあるべきか、という問題である。
そこで次回からは、革命とは何かに関連させつつ、党の綱領とは如何にあるべきかを、一般的に論じていくことにしたい。これは同時に、現在の日本共産党の誤りを指摘していくことにもなるはずである。またさしあたって、現在の党綱領を認めていなくても、党員であり続けることができる根拠も示してみたい。