日本共産党のCMに非難が集まっていますが、では皆さん、どんなCMなら、いいのでしょうか。あれはあれで、身近に感じられるものであると思いますし、だめならだめで、次の選挙で考えたらいいと思います。ともかくも、メディアの利用価値を考えただけでも、いいといっても過言ではない状況でしょう。
科学的社会主義というものは、弁証法的唯物論という言葉も添えて、ひとつの考え方の指針であって、それをそのまま社会に定式化するものではないと思います。社会の発展を、さししめした指針という意味で生命力は衰えていませんし、特定の国の特定の人物と対比させて考えるものではないのでしょうか。スターリンを擁護してはいけないと思います。彼は、その時代の犠牲者ではなく、社会主義、共産主義の理想を根本から投げ捨ててしまった、反革命分子といってもいい存在であり、ソ連が、あんなに早く崩壊したのも彼のせいでしょう。自由討論をしている余裕は、当時のソ連になかったかもしれませんが、その困難を乗り越えさえすれば、また違った社会もできたでしょう。
科学的社会主義は、心を救えないという議論もありました。もちろん宗教ではありませんから無理からぬことです。しかし、社会全体をよりよい方向に導いていくことによって、最終的な救済ではないにしても、ある程度は考え方を変えたら、よい部分もあるように思います。私は、宗教を否定しませんし、友人には、いろいろな宗派の人がいます。しかし、創価学会の一部を除けば、まじめで仕事でも困難に度々と立ち向かい、組合活動もともにしつつ、赤旗読者になってくれる人もたくさんいます。ただ、一致しないのは、現世の救済か来世の救済か、キリスト教の人が多いものですが、適切な表現でなければお詫びしますが、そういう点が多いのです。しかし、解放の神学の話などは大いに一致しています。
先日の大阪の池田市での痛ましい事件は、心が痛みます。唯一赤旗だけがセンセーショナルな報道でなかっただけ救われます。心を病んでいる人が、犯罪者になるということは、不幸な現実です。しかし、自民党的な古色蒼然たる個人責任論は、まったく何の解決にもならないばかりか、精神障害者の社会復帰や、その存在自体を否定してしまうことにもなりかねません。警察よりも、保健所とか医師のかかわる問題であると思います。犠牲者やそのご家族には、今後、本当に苦しい思いが待っているでしょうし、現場を見てしまった幼い子どもたちの心の傷を考えると、何であの容疑者がここまで何に追い詰められて、そうなったか、時間はかかってしまうのは仕方がないですが、解明していかないと、今後こうした犯罪といっていいかどうか、迷うのですが、決してなくならないでしょう。残念な、そして万人に不幸な事実です。