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党員用討論欄

良心のグローバル化こそ

2001/9/17 澄空、30代、会社員

 9月11日の対米同時多発自爆テロ事件について、このサイトでも多くの人が見解を述べていますが、私としてはどれも何か、しっくりとくるものが感じられませんでした。

 昨日、メジャーリーグがゲームの再開に向けて選手たちが練習を開始したという報道がありました。球場には献血コーナーが設置され、選手たちも練習前にはボランティア活動で汗を流したと報じられました。また、CNNのHPをみていると、崩壊したビルから人々が避難する際に、大やけどを負った人が優先され、一命をとりとめたといった話があります。
 あと、友人からのまた聞きですが、あのビルには多数の清掃労働者(ほとんどが有色人種)もいて、そうした底辺労働者を組織している労働組合も、今回の救出活動では英雄的な活躍をしたそうです。しかし、マスコミは労働組合の活躍をいっさい伝えていません。また、アメリカの平和団体も報復反対を訴えています。
 こうしたことから言えることは、国家的悲劇ともいうべき無差別の大量殺りく事件に直面したアメリカの民衆は、その後の人命救助・救援活動において、おおむね、そのすばらしい良識やヒューマニズムを発揮しているということではないでしょうか。

 一方、テロの実行犯がアラブ系だったということをもって、罪のないアラブ系アメリカ人が迫害されているという残念なできごとも発生しています。ブッシュ大統領自らが、そのような行為は誤りであると国民に訴えていますが、原因は、このような攻撃的ナショナリズムを煽っているブッシュ自身にあります。彼は、戦争という報復手段を選び、アメリカ大手マスコミもそれに呼応して、「テロ」ではなく「新しい戦争」と呼び、戦争準備をすすめています。
 それは9月11日にアメリカの民衆に降りかかった悲劇を世界に向けて拡大するものであり、アメリカの民衆がこの間に発揮したヒューマニズムの精神とは相容れないものであると私は確信しています。

 「同盟国」日本とその民衆がアメリカの民衆に対してできることは、マスコミや大統領が煽る戦争の道ではなく、ましてや日本で同じような戦争をできる体制を整備することでもありません。アメリカ民衆の良心、ヒューマニズムが、この事件限りのもので終わらせないように、またそれが国境の前で立ち止まることのないように、それが世界に向けて示されるように、アメリカの民衆と手をとりあうことではないでしょうか。