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党員用討論欄

軍事制裁についての党の立場と私見

2001/12/6 Tim、20代、労働者

 はじめての投稿になります。私は、首都圏の居住支部に所属する党員です。
 湾岸戦争についての東西南北さんの投稿がありましたので、その当時の党の立場の概略と個人的意見を述べたいと思います。
 湾岸戦争については、党は「急ぎすぎた戦争」という規定をしました。その規定をした理由は以下のようにまとめられると思います。(当時の無署名論文が手元にありませんので、正確ではないことをご了承ください。)
1)イラクという帝国主義以外の国による侵略行為が発端だったこと。
2)国連による経済制裁が不十分な段階での、多国籍軍によるイラク攻撃がはじまったこと。(ここから「急ぎすぎた戦争」という規定となった)
3)多国籍軍の行動が、アメリカの帝国主義的な思惑があったにせよ、クウェートの主権回復に限定されたこと。
 また、湾岸戦争の党の対応として注目された点としては、イラクのクウェート侵略直後、サウジアラビア政府の要請によるアメリカ軍のサウジアラビアへの駐留を批判しなかったことが挙げられる。隣国が侵略された情勢における、サウジアラビアの緊急避難的な措置というのが、その理由でした。また、明確には言っていないと思うが、当時、国連主導の軍事制裁による解決の可能性は示唆していたと思う。ですから、投稿者の質問に答えるならば、テロ問題の書簡の軍事制裁の立場は湾岸戦争当時からの立場であるといえる。
 個人的な意見を申し上げると、歯切れの悪い規定という批判はあると思うが、党の対応は基本的に正しいと思っている。それは、ベトナム戦争のようにアメリカが計画的に起こした戦争はないことと、クウェートの主権回復で戦争が終結したことから、単純に帝国主義戦争と言えないのはあきらかと思う。(その後のアメリカのイラクへの干渉的な行動はあるが)民族自決に賛成の立場であれば、クウェートを侵害したイラクとクウェートの主権回復のために戦った多国籍を同列に見ることはできない。当然、クウェートの主権回復の方法としては、まず平和的手段を追求すべきだったが。
 一般論を言えば、現在の国際社会が紛争の平和的な解決ができる可能性がる一方、各国が武力を持っていることをリアルに見る必要があると思う。紛争の平和的な解決に最大限努力はするが、最後の手段としての軍事的解決は理論的には否定できない。国連の行動についても個々の分析と判断は必要になるが、今回の書簡で国連による軍事制裁の可能性について述べた点は、間違ってはいないと思う。
 詳細な展開はしないが、第22回大会の自衛隊の問題も、この現実から考察する必要があると思う。それを批判する人は、自衛隊の活用論を問題にするが、私は軍隊のない資本主義国の可能性を示唆して点に注目する。軍隊のない資本主義国という概念は従来の科学的社会主義の立場にはないからだ。社会党の「非武装中立論」に党が批判的だったことにも、そのことが現れている。
 以上のことから、国連の軍事制裁の問題でも、自衛隊の問題でも、私としては「右転落」という評価をしていないし、むしろ妥当と思っている。

 今回は党の立場を擁護する立場(このサイトの管理者とは異なる意見)で投稿したが、私は決して今の党が完全とは思っていない。完全な組織や人間もいないので、ある程度寛容に見ている部分もあるが、変える必要のある部分は確かに存在すると思う。そのことについては、次の機会に投稿したいと思う。