日本には「菊タブー」(皇室批判)「鶴タブー」(創価学会批判)が許されない雰囲気がありますが、今問題になっている北朝鮮による拉致事件のために新しく「拉致タブー」が新たに出てきています。
今少しでも北朝鮮に対して融和的なことを発言しようものなら右翼反動勢力組織化していると言っても過言ではない拉致被害者を「救う会」などに徹底糾弾される状態となっており、まさしく北朝鮮の金正日政権よろしく批判や反対意見を拉致事件に関しては全く言えない状況となっています。
これらの反動勢力の核心になっているのは、ご存知兵本達吉、元共産党員で北朝鮮への帰国事業に加担しておきながらいまになって正義の味方面している「救う会」会長、「現代コリア研究所」所長である佐藤勝巳、拉致被害者の弟で創価学会員であり、その学会と公明党からも助けてもらっていないのに昨年9月17日、拉致被害者の生死が明らかになった時、記者会見で「共産党、社民党、何か言いたいことがあったら言ってみろ」、と述べた増元照明、この3人が右翼反動勢力の中心になっています。
特に気になるのは「増元発言」で、ある週刊誌の紙上で「北朝鮮国内でクーデターなど混乱が起きた際、日本の自衛隊を派兵できるように法整備をすべき」と、発言していて、私は北朝鮮問題を利用して一気に有事法制を成立させ日本を再び軍事国家に突き進めようとする、まさしく「火事場泥棒」的な、北朝鮮による拉致被害者という世論の同情を利用した言いたい放題の発言は、決して見過ごすことができない内容と思ったのは、私だけではないでしょう。
なお私の北朝鮮に対する考えは強硬な方だと思います。
拉致被害者消息の全ての公表、核開発の即時中止、北朝鮮が日本に対して働いた悪行三昧の膿を全て出し切らない限り食料、経済支援には一切応じない、等などです。
拉致され10月に日本に一時帰国した5人を帰さなかった判断も正しかったと思います。
しかし前出の右翼反動勢力は小泉首相に「拉致被害者の消息8人死亡」と聞いたときに席を蹴って日本に帰るべきと言っていましたが、恐るべき発言で、曲りなりとも5人の日本への帰国が実現したのは、この小泉訪朝とピョンヤン宣言があったからで、普段日本共産党と厳しく対峙している小泉首相ですが小泉訪朝を強く支持した日本共産党の態度は当然です。
右翼反動勢力は結局は拉致被害帰国者5人と横田さん夫妻をダシにして日本右傾化計画を企んでいるとしか言いようがありません、恐らくこの問題のため罪のない朝鮮学校の生徒が暴行を受けても当然と思っていることでしょう。
さて、こんな時こそ「日本共産党の出番」なのでは?
北朝鮮が金日成個人崇拝を自国民に強制し段々変質化、のち旧ビルマのラングーンで韓国大統領暗殺を謀って引き起こした爆弾テロ、これによって日本共産党と朝鮮労働党は関係を断絶、「社会主義」を汚した北朝鮮の罪は重く、朝鮮労働党をバッサリ断罪した日本共産党の決断は素晴らしく、のちに再び北朝鮮によって起こされた大韓航空爆破事件でも日本の政党の中ではいち早く「北のテロである」と判断、この辺が公明党との大きな違いであり、政党としての国民への責任を強く持っている政党、それが日本共産党です。
日本共産党はここ数年中国共産党との関係改善、東南アジア歴訪、最近も中東訪問や南アジア訪問と不破議長や志位委員長などの幹部が野党外交を展開、訪問国では共産主義政党に会うだけでなく、当地の権力側と会談したり与党以上の外交を行っていると言っても過言ではないでしょう。
その日本共産党に今期待したいのは、今度は北朝鮮を訪問して拉致問題、そして核開発問題について話し合ってもらえたらと強く希望します。
金正日総書記も資本主義国最大最強で、地政学的にも大切な日本共産党から訪問団が来たら会って会談に応じてくれるでしょう。
ただ朝鮮労働党とは絶縁関係なので、労働党との関係をどうするかといった問題もあるとは思いますが、このような野党外交は一考の価値はあると思います。
東アジアの平和のため、日本共産党が北朝鮮をまともな国にするために一肌脱いだとき、公明党や右翼反動勢力による攻撃を一気に吹っ飛ばし、来るべき総選挙で勝利するのが目に浮かびます。
不破議長、志位委員長のご英断に期待します!