世界各地で展開されてる NO WAR の声を無視して、アメリカ帝国主義のイラク侵略が始まりました。
この戦争をめぐって刮目すべき事態は世界各地の反戦運動です。日本でも、さまざまな市民団体や個人がこの運動に参加しています。どうか日本共産党の党員、民青同盟員もぜひ積極的にこの運動に参加してください。現在の日本の運動はかつての規模に比べれば比較にならないほど小さなものですが、久々に人々が自発的に運動を繰り広げているという感じがします。共産党も、本来果たすべき共産党の役割からすれば、その実態はあまりにも貧弱といわねばなりませんが、それでも集会、デモ行進などにいくらかは取り組んでいます。ビジュアルな報道を見ると、共産党や関係の深い団体が呼びかけた集会にはまだ高齢者が多いが、自発的な市民運動には若い人の割合がたいへん多い。
「3.8イラクピースアクションに行きました2003/3/8」(KING-BEE)さんの投稿や長壁さんの投稿にもありましたが、ある地方都市でも、この日、同じような集会がありました。参加した高齢党員から聞きましたが、「まったくてんでんばらばらに、思い思いにギターを弾いたり、あっちを向いたり、こっちを向いたり……。若い人たちが一杯いた。」ということでした。組織動員ではなく、自発的な運動であることがわかります。その近くを共産党系の婦人団体がデモ行進をしていったらしいのですが、こちらはきちんと統制が取れた行進だったとのことでした。統制が取れたとかどうかはまったくどうでもいいことでですが、若い人たちが自発的に反戦運動に参加しているとき、学生党員、青年党員や民青同盟員がこれとは別なところで活動しているとしたら、これらは最悪の活動です。
今は、「イラク戦争反対で、大きく打って出るというとき」(黙っていろ、党建設派2003/3/20 知(ちから)さんの投稿から)であります。このようなときに、知(ちから)さんの指摘するような地区機関や上級機関の指導があるとすれば、これは間違っています。このような指導は無視してかまいません。長い目で見れば、無視する方が民衆にも、党のにも有益です。地方選挙が近いから、不破志位指導部はじめ機関は選挙と拡大・配達に血眼でしょうが、その時代の歴史的課題、人々の闘いから離れたところでの活動に没頭することは絶対に正しいとはいえません。
ソ連崩壊後、これほど全世界的に戦争反対の運動が展開されたことはありません。また、これらの反戦運動がどれほど自覚的にアメリカ帝国主義との闘いとなっているかは別として、世界の平和と民衆の生活向上のためには、アメリカ帝国主義との闘いが全世界人民の中心的課題となるであろうことを示すことになると思います。アメリカ帝国主義が唯一の超大国となってから、まだ十数年に過ぎません。ブッシュという野蛮で凶暴な指導者をいただいたことはアメリカ帝国主義にとっても不幸なことであったかも知れませんが、イラク侵略をめぐる一連の出来事は、大量破壊兵器の最大の保有者がアメリカ帝国主義であること、世界平和の最大の脅威がアメリカ帝国主義そのものであることを遺憾なく示しています。また、かれらのいう民主主義や自由はまったく独善的なものであり、本質的に自由や民主主義という崇高な理念とは両立しないものであることも示しています。
少々荒っぽい言い方をしますが、世界の反戦運動では、「国連決議を云々」とか「査察の強化」とかというスローガンはほとんど見かけません。日本でも同じことです。少なくとも今回のイラク侵略に限っていえば「イラクは何も悪いことをしていない」というのが普通の人々の率直な印象だと思います。査察の問題にしても、国家主権の問題として考えれば、イラク側にも反論したくなるものがあるでしょう。
サダム・フセインにしても、金正日にしても、これらをどうするかは基本的にはその国の人民の問題です。さらにもう一つ言えば、「現実的なものは理性的であり、理性的なものは現実的」であるわけですから、これら権力が独裁権力であったとしても、これらがこのような権力として成立するに至った歴史的、現実的な根拠が社会の中にあります。
これらの国々に欧米流の民主主義体制が育たなかったのはそれなりの歴史的、現実的な理由があります。欧米流の民主主義は基本的にはある程度発展した資本主義に照応した政治体制であり、社会が一定の豊かさに到達することが不可欠です。このことを無視して、これらの国に「民主主義の政府をつくる」などとアメリカ帝国主義が主張するのは全くの詭弁であり、「アメリカに従順な政権をつくる」という本音の別な表現にほかなりません。
最後に、さざ波通信編集部に提案ですが、イラク戦争がいつまで続くかはわかりませんが、特設討論欄に「イラク戦争」欄を設けたらどうかと思いますが、いかがでしょうか。私の予想に反して特設欄にあまり投稿が集中しないかも知れませんが、人々の関心が高まっているテーマであるし、今後の世界の進路に関するまことに重大な歴史的な事態でありますので、特設欄を設ける意味はあると思います。
また、最近「さざ波通信」にアクセスするようになった方はご存じないかも知れませんが、なかなか読み応えのある投稿をされた方で、すっかりご無沙汰している「かつての投稿者」が少なくありません。かくいう私もその一人ではありますが、もし、しばらくご無沙汰の「かつての投稿者」の方たちがこの投稿をお読みになったならば、ぜひ、アメリカ帝国主義のイラク侵略反対の論陣を張っていただきたいと思います。