4月1日付「しんぶん赤旗」14面、「都知事選迷いは解消」と題して、元小学校教師に胸のうちを語らせている。
「都知事選では、評論家の樋口恵子氏に反石原票をーーと思っていたが、告示後一変。しんぶん赤旗がきっかけで、樋口氏を誤解していたことがわかった。こんども、やっぱり、共産党を応援します」と伝えている。
実名もだされているが、この女性自らの肉声がかんじられないのは、いつものこと。樋口氏のどこを、どう、誤解していたのか? それまでいいとしていたどの部分が嘘だったのか? また、若林氏は、樋口氏よりどこがマシなのか? 若林氏はどうでもいいが、今回は共産党で勝負するのか?
これでは、反石原の強権圧制ぶりもわからないし、一部、樋口氏票を押さえ込めるかもわからないが、逆の現象も生むのではないか。つまり、棄権の要因になることも考えられる。あるいは、樋口氏派にとっては、共産党の肝っ玉の度合い、中途半端ぶりを再確認することにもなりかねない。
正直なところ、私自身、樋口氏の介護保険導入時の転向ぶり、公共事業現状維持に?をかんじている。さまざまな立場を考慮した発言に違和をかんじてもいる。
昨日、「石原都政を検証する会」にいってみた。樋口氏、若林氏の検証にも言及した。石原の留置場誘致で強く反対しているM氏の意見もきいてみた。
「共産党の木村さんもいい意見をいってくれるのだけど、石原は、共産党のいうことなど、まったくきかない。だから、共産党では留置場を撤回できない」と、M氏。
私は「だから、共産党が通れば、石原はおちるのだから、聞くも聞かないもないでしょう。」と、反論。
が、要は、政策的には、賭博場にしても、留置場にしても、具体的な路線がひかれていて、それをひっくり返せる、力ーー石原路線に太刀打ちできる論破がある人物でないと・・・ということらしい。
私なりに、もう一度、整理してみる。
共産党が選定した候補・若林氏にたいして、私は、魅力をかんじない。伝え方がわるいのかどうか、いずれにしても、こちらに届くものがない。共産党のクローンのような気さえする。反石原としての強烈な思いがみえない。2日前、突然、反骨の人という(私の好きな言葉)紹介記事があったが、とってつけたような感じがした。
ならば、私自身が所属している党の候補としてみたらどうか。党は政党だから、福祉、介護保険、医療行政、公共事業等に筋が通っていることはみとめるが、今回は、その基本の上に、今回イラク攻撃に始まる戦争が控えているのではないか。戦争の引き金を引く現都知事か、平和の鐘を鳴らす知事か。はっきりいって、若林氏も樋口氏も、この視点は軟い。
が、当然、材料をいっぱいもっているはずの共産党の視点の弱さの方に危惧をかんじる。石原の強圧、自公と一緒に反共を繰り返してきた卑劣ぶりをなぜ、強く、わかりやすく、つたえないか。都議会での、ヤクザぶりを広く知らせたらどうか。ハゲタカ発言然り、戦争に結びつける民族差別発言然り(在日では票にならないと思っていたらとんでもないですよ)。
こんなわけで、身内の共産党候補を推せない自分が悲しくなります。不破議長には、それこそ、二年以上も前から、反石原はうったえてきました。なのに・・です。
結論として、あらゆる観点からみて、私は、樋口恵子氏が最適とみます。まず、樋口氏の知名度は、共産党の好悪感情を圧倒します。なにより、女性差別に代表される社会的弱者への圧政を強行してきた現知事です。樋口氏が女性であるということは、それだけでも、十分意味があるのです。共産党はこの点でも、ミスりました。まず、石原を落とし、樋口氏には、都民の提言をどしどし、ぶつけます。樋口氏は聞く耳をもっています。民主党の菅氏にも、有事法賛成を撤回してもらうことを取引にします。民主党が民主党として生き残るのは、もはや、都議会民主党を解散するしかありません。都議会の傍聴など、自公民の横暴ぶりはみていられませんよ。
再び、しんぶん赤旗の記事4面です。
「ウソ並べて共産攻撃、石原知事は政治家失格(圭)」は、最悪です。以前、私は、赤旗の編集方針におおきな危惧を抱き、再三意見をのべてきましたが、この記事で納得です。
ーー石原知事は「治安対策では、警察官増やすのに、反対するのは共産党だ」などと事実を正反対に描いて攻撃しました。「美濃部都政時代は・・高速道路や幹線道路の建設など交通インフラ整備も、自民党都政に負けない規模で行ってきた」ことは、否定できない歴史の事実です。
そうですか、そですか。いつか公明党が騒いでいた「警察官を増員する条例」に、共産党が賛成していたなんて、まったく、知りませんでした。
それに、共産党は、美濃部都政を評価していないのですか。その後、鈴木都政の箱物行政を批判していたことも、記憶にあたらしいのですが。
共産党の理念も疑わしいですが(保安処分新法も?)、なによりも、なぜ、共産党は売り言葉に買い言葉といった反発しかできないのでしょうか。相手を越える理念がないからなのでしょうか。
「お母さん、今は、警察官を増やすのではなくて、人殺しをするような警察官でない人(名古屋刑務所等の犯罪?)をえらぶべきだし、犯罪が起きないようにするのが必要ではないの? 共産党はヤワイよ、おかしいよ。なんでこうなの」とは、中学生の子供の意見でした。
もしかしたら、私は、共産党を大きく、誤解しているのかもしれない・・と、何かひんやりとしたものを感じました。