石原氏308万票、樋口氏81万票、そして若林氏は石原票の1割強の36万票。予め予測できたこととはいえ、樋口氏も若林氏も、反石原票としては全く失格であった。なにより、共産党の甘さは、あいた口がふさがらない。このまま負け戦になんで甘んじるのか。甘んじたのか。
共産党が最大のテーマにした「イラク攻撃反対」は、だれがなんと言おうが、ただしいと思う。新聞でも、連日、他紙をしのぐ勢いでイラク攻撃報道、国内外のデモ報道、そして、今回は、森住卓氏のイラクのこどもの写真をパネルにしての選挙戦。共産党にしては(?)一歩前進である。
あまりにも、遅く、あまりにもヤワイ視点が気になるものの、4月11日の「しんぶん赤旗」は、一面に、血だらけのイラク男性の写真、3面には蛮行の罪免れないと、両腕をなくしたアバスくんの痛々しい姿がのっている。となりには、都市で残虐兵器「実験」と、デージーカッターBLU82、クラスター(集中)爆弾など核兵器に次ぐ兵器の人体実験ぶりを紹介。米英の軍事侵攻・侵略という視点は一貫しているとおもわれる。小泉記者、坂口記者等も文章から、伝わってくる迫力をかんじた。
14日、若林さんの会見、「世界と日本の関心ごととなったイラク戦争反対の主張をはじめ、私たちの訴えがとどいたところでは{そうだったのか}と驚きと共感がひろがった」
また、すぐ横、イラク戦争反対を決議ーー日中友交協会都連の記事だが、なぜ、「イラクへの侵略戦争の暴挙を強行したアメリカとイギリスに強く抗議なのか」・・・日本と中国はどうしたのかーーこの辺の視点がなんとも、おめでたい。
高弘氏がイラクの人は戦時中であることをわかっていない?と言及されていたが、高弘氏あるいは、赤旗関係すべての方々も含めて、日本がりっぱな戦時下であることを理解していないのではないか。しかも、侵略側の加担者であることをーー戦争とは、このようにして、国民の意識とは乖離したまま、行われるもののようであるが。
とにかく、共産党は今回、真摯に反省すべきだと思う。 せめて、9・11をきっかけに、以降続く戦争の本質を追求していれば、これほど、脳天気なゆで蛙列島になりさがらないばかりか、イラク攻撃もとめられたかもわからない。あるいは、少なくとも、戦争知事の再選は、ストップできたろう。いかにも、残念である。共産党は、第二の社民党になりたくなかったら、ここらで、もう一度、原点にかえって戦争問題を、徹底的に検証することをおすすめする。
志位さんがようやく、私が言及してから1年半がすぎた今、パレスチナ問題を正面から問うようになった。遅くても、いいが、気づいたからには、猛スピードで検証してほしい。
14面、米英は攻撃即時停止をーー環境NGOの要請文の下、「報道人殺害は意図的」と日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(広河隆一)の声明を掲載しているが、もっと大きくせめて、この協会の理念ぐらい語らせてあげてもいいのではないか。この協会を、私は、日本のアルジャジーラ版と期待しているのだが。
共産党は、文化人や知識人、ジャーナリストや宗教者等と広くお馴染みになるのはどんどんやってほしいが、内容も吟味してほしいものだ。お互い切磋琢磨しあえるような関係でこそ、信頼も飛躍も期待できるのではないか。
3面、今回のイラク攻撃の一時総括である。「全世界の国民」の平和的生存脅かす立場になった、米の先制攻撃戦略とこの”ブッシュの戦争”に前面的に加担する体制が、与党がねらう有事法制であるということ。
名古屋大の森英樹氏は「日米共同の先制攻撃体制がもたらすものとし、「いわば殴る側に立つということ。米国の尻馬に乗る日本とは、アジア諸国に強い脅威を与え、不信や懸念、さらには恨みの対象となるでしょう。(今でもそうなのにさらに?)・・・日本がアジア諸国に対して、かつての侵略戦争の責任をまったく果たしてこなかったことは、この脅威・不信・怨嗟を増幅します。・・推進勢力は北朝鮮問題を持ち出してくるのですが、有事法案を通してしまえば、アジア諸国民はもとより日本国民自身をも血みどろの事態に陥らせてしまうことを、しっかりと理解すべきです。」とむすぶが、これでは、国民は、理解しないです。
なぜって、血みどろにならないために、北朝鮮のミサイルから守ってもらうために、今回、血みどろのイラク攻撃をみとめたのですから・・・私は、森氏に同感ですし、早くから、アメリカなんて日本を守らないといってきたのですが、今日までの北朝鮮バッシング世論のほうが完璧にできあがってしまい、この壁をやぶるのは容易ではありません。
今回の選挙でも、バッシング派のほうが、断然つよいこともわかりましたし。ここのところを、唯一、共産党は優秀なジャーナリストを起用して、早急に世論を逆転させることです。ぼちぼちではなくて、今すぐ、めざめて、ここさざ波でも、力(ちから)さんをはじめ、いろいろな方が、貴重な意見をいっているのですから、聞く耳をもって、本当に、真摯に対処していただきたいです。そういえば、さざ波通信の攻撃文がなくなっていますか。見つからなかったのですが。
最後に、4月10日付 「現状分析と対抗戦略」討論欄のアメリカ反戦の、唯一最大の方法については、共産党が政権をとれば、正解。アメリカの軍事戦略路線に対抗するために「日本がアメリカン・グローバリズムの進入に歯止めをかけて{経済内戦}を停戦し、ヨーロッパ型の共存経済を導入する」ことで、経済面からアメリカを孤立させる方向で軍事戦略に圧力をかけるーーということでしょうか。今の政府は、この逆をいってますから・・やはり、最後は、ブッシュの恐怖と衝撃を、国民の一人ひとりが、理解しないことには・・とおもってしまいます。
政治家も、企業人も、あまりに、エゴイストですから。