前にも書いたが、この地区では去る統一地方選挙で大幅に議席を減らした。この30年間、党の議席数はおおむね一進一退であまりかわらない。
党員の増加は、若い人はごくわずか、定年退職した職場の党員が地域に籍を移した分増えている状態。
民商は最盛期の4分の1。
人材も少ない。育てようとしないし、せっかくの人材がいても意見の違いがあると異端視して疎外する。
中央は、無党派、無党派というがセクト主義は根強く、要するに自分たちと同調できる範疇を出られない。
意見を出しても指導部はほとんど馬耳東風。正直ほとほとあきれてしまう。このような党の現実、指導的幹部の姿勢が綱領路線にも規約にも反していることは明らかなのだが、いっこうに改革される気配はない。
党の現状は危機的であるといっても過言ではない、と思う。
指導機関の問題と同時に、党員が1個の人間として主体性に欠けているところにも大きな問題がある。形式主義的な「組織の上に個人を置くな」という指導がそれに輪をかける。
さらに根本的には綱領と規約の問題があると思う。さきほど「綱領と規約にも反している」現状、と書いたが現在の綱領と規約に問題がないことを意味していない。
ソ連、東欧の「現存社会主義」の崩壊、国際共産主義運動の著しい退潮(崩壊)、日本共産党の「独裁」概念の変更(ことばの問題に矮小化したものとして強い批判がある)、「前衛党」規定の放棄(これも前に同じ)等々は、綱領・規約をはじめ「共産主義運動」の根本的見直しを迫っていると思われる。要するに、これらは、いまではいっそう社会に対応できなくなって党内矛盾は拡大し人々の支持は頭うちになっている。
卑近な例だが、季節の変わり目にそれまで着ていた衣服を取り替えるのに躊躇する。ましてや、従来の問題点を総括し社会の変化に適応した新たな思想を大胆に取り入れることはいっそう困難だろう。気象条件は客観的に測定することができるが社会科学の分野では、結論が出るまでにはそうとう歴史的時間を要するのが普通。それをいいことに(?)従来のやり方に固執されてはたまったものではない。
大胆な見直しの結果、「連続的な民主主義革命」の重視、民主集中制を含む党運営の民主化、党史の見直し、党名変更、一国一前衛党論の放棄、などの方向にいずれ向かわざるを得ないと考えている。
そうしてこそ、はじめて広範な人々、勢力との共同・連帯が実現できる。