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党員用討論欄

セクハラ問題とわが党のとった措置について・・・日本共産党中央委員会常任幹部会

2003/6/26 長壁 満子、40代、くらしとほけん

――党員、後援会員、支持者のみなさんに、ご理解をお願いします(しんぶん赤旗 6/26)
 を読んで

 文章全体としては、この問題を中央委員会が、真摯に受け止め、そして、女性のプライバシーを最大限守ることに、重きを置いているらしいことは、つたわってきます。
 だから、詳細はこれ以上、いらないのではないか。筆坂氏も潔く、認め、謝罪した。党も、断腸の思いで、「中央委員からの罷免と議員辞職」という残念な事態が起こった? でなく、総括した。
 ――一部の商業マスコミは、わが党がそれ以上の事実の詳細を公表しなかったことについて、「秘密体質」「隠ぺい体質」などと批判していますが、この批判はまったくあたりません。なぜなら必要以上に細部にあわたる事実を公表することは、被害をうけた女性の特定につながることにも、女性にいっそうの精神的苦痛をあたえることにも、なりかねないからです。

 はたして、そうでしょうか。
 事実は、「酒席の席で、セクハラを受け、精神的苦痛をうけた」と、27日、女性から電話があり、本人が認め、謝罪したというだけのもの。これが、必要最低限なことでしょうか。ある問題が生じたときは、ぞの背景、原因、状況は、最低限明らかにされるべきであり、名称や、顔写真などはもってのほかですが、事実関係は、きちんと検証されなければならず、それは公開されなばなりません。

 ――「セクハラ問題の対処にあたって「被害者のプライバシーを守る」ことは鉄則中の鉄則です。この立場から、被害を受けた女性にさらに苦痛を与える不要な詳細に」たちいることはけっしてしないーーこの原則を貫くことこそ責任ある対応であると、わが党は確信しています」。

 

 ですが、これだけの、大きな処分をしたのです。共産党と筆坂氏自身の不名誉は、日本国中に知れ渡ってしまったのです。反共マスコミが、今後、あることないこと、面白おかしく、双方のプライバシーをかぎまわることでしょう。党関係なら、少し、時間がかかるかもしれませんが、さらに、執念をもやすでしょう。そのとき、党は、どういった対策をとられますか。ことがことだけに、幾重にも、話は拡がることでしょう。そのとき、党及び筆坂氏は、ずたずたにされてしまいかねません。
 私は、今後、反共を煽るマスコミ、政権党の格好の餌食にされる前に、党中央、筆坂氏、被害女性が事実関係をきちんと、釈明することをもとめます。
 それでこそ、被害女性のプライバシーというよりは、もっとも大切な「尊厳」が守られるのでは、ないでしょうか。侵された尊厳は、事実を乗り越えこえなければ、まもれません。党に電話で訴えた女性ですから、誇り高い方だとおもいます。なおのこと、必要最低限な公表がもとめられます。また、その覚悟はあってしかるべきです。それに、セクハラをされたことは、恥でもなんでもありません。
 また、筆坂氏自身の謝罪と反省も、共有できるだけの情報があってこそ、その上にたって重く、うけとめることができるのです。
 同時に、党自らも、潔くこの問題に立ち向かい、筋を通す党と、評価されるのです。
 セクハラ問題は、その位置、状況設定などが、ポイントです。一過性のものなのか、持続性のあるものなのか、はたまた、恋愛的なものなのか、100例100様です。政権党の男性方のこれまでの例は、おぞましいばかりですが、今後、そうした部類あるいはそれ以上に脚色されて、党と筆坂氏が致命的な傷を負うことを危惧します。
 ちなみに、石原都知事の発言に、「女は男に破瓜されるという体型ですから」といったものがありますが、こうした発言が、異を唱えられることもなく、とくに、男性には受け流される風潮があります。
  早大学生の事件、米軍の犯罪、教師や医者、政治家、警官、官僚と男がいる世界では、珍しくもない、これらの事件ですが、その根源には、やはり、女性差別があり、社会的弱者差別があるのだろうとおもいます。そうしたものの延長の行き着く先は、戦争となるのですが、ここまで、話をむすびつけなくても、今、現在、共産党のおかれている立場をかんがえてみれば、いかようにでも、調理されかねません。
 ここは、是々非々で、真摯に先手をうって明らかにし、筆坂氏に釈明させ、肉声を語らせることでしょう。それに、この問題は、男性及び女性の問題ですが、人間の尊厳の問題です。「後援会員や現支持者の皆さんへの理解」といった、狭い呼びかけはおかしいです。党が、この問題をきっちりと、捉えきっていない証左です。またしても、女性の参加(女性の意識・視点)がかんじられません。
 そして、セクハラ問題を、組織の問題としても徹底究明することです。どう身びいきにみても、共産党とフェミニズムはむすびつきません。女性党員自身にも、ほとんど、感じたことがありません。
 これを契機に、党が本当の意味で、生まれ変わってこそ、したたかに、強大な党として再出発できるのではないでしょうか。  今こそ、反戦とフェミニズムを基点に、再出発していただきたいとおもいます。
 また、我われ党員、支持者も、短絡的に、判断を慎みたいものです。根源をきちんと見つめることから、スタートしましょう。戦争に対する視点とも、通底し、反戦の力をも、左右するものだとおもいます。