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党員用討論欄

平成合併は国の押しつけ合併である!

2003/10/17 なれ合い議会を批判!、40代、労働者

 我が居住地では3町での任意合併協議会による枠組みが、1町の住民投票(結果は 反対多数)により協議会より離脱、その直後に不十分な情報提示のままに、約1ヶ月 間という短期間、拙速により残りの2町で住民投票が決まり、その間は当然我が党は 町の将来にとって重大な問題にも関わらず、町民への枠組みが変わったことや、その ことでのメリット、デメリットなど十分な情報提供もないままに、すすめるやり方に 疑義を唱えて、反対運動を展開した。しかし、結果は賛成が多数を占め、2町の議会 では「法定協議会」設置の条例が行政当局側から出された、問題は、ここからである、 我が党の地方議員は各町とも2名づつおります。これが全員とも法定協議会設置に賛 成したのである。ましてや、「賛成討論」にも立ったと聞いて驚きを隠せません。こ れまでの運動の経緯から考えれば合併を前提とした協議機関の設置にたとえ議会内で は少数であったとはいえ、賛成に廻る「無節操さに」正直愕然とした。
 私なりに、この間合併の是否を問う住民投票の中での闘いについて整理してみた。

1,「不正確」な当局の資料をもとにした住民への説明内容で十分といえるのか?

 当局側の説明会での資料に、「合併しなければ赤字が大きくなる」とされているこ とについて、平成12年度の歳入・歳出決算をもとにすれば将来赤字財政となるとだ け、しかし、13年以後も臨時財政対策債、シミュレーションの結果は現実とはかい 離している。
 不正確な資料であることは、間違いなし。
 町当局自身も不正確な資料でないと弁明もできない、さらに全戸への配布は住民に 不正確な情報をつたえ、欺くことになるのではないでしょうか。

2,市町合併の重大な問題点と、共産党の基本的な立場について。

 地方自治法では「安全、健康及び福祉を保持する」ことが地方自治体の役割である ことを明記しています。4町がダメ、3町もダメで、2町合併で自治体本来の役割が はたせるのか?
 日本共産党は、住民の意思にもとづいて地方自治体を適切な規模にしていくことに、 一律に反対するものではありません。しかし、いまおこっている全国の合併の流れは、 改定された市町村合併特例法をてこにして、「2005年3月までが期限だ」と自治 体をせきたてる形ですすめられている「国の強権的な行政指導、財政誘導」によって 押しつけられているもので、大型開発を効率的にすすめ、住民サービスを切り下げる ことに狙いがあり、押しつけ合併には反対しています。この合併押しつけと国庫補助 金負担金と地方交付税を大幅にきりすてる平成合併の動きは「地方自治制度」を破壊 するものです。住民生活を脅かす「地方切捨て政策」だ。
すでに合併した全国の例をみれば、デメリットの指摘どおりのことになっています。 施策の水準も低い方の自治体に合わされます。
 有権者の少ない地域から選出される議員が減る可能性もあります。住民自治と政治 参加をつぶすことにもなりかねません。
 また、「役場が遠くなったり、身近な公共施設が統廃合されるなど住民の利便が低 下する」ことや、合併になれば周辺部は停滞し、過疎化がすすむのは、昭和の大合併 で全国でおこったことです。
 「合併は財政基盤を強化する」との宣伝もされていますが「事業の実施方法によっ ては後年度の公債費負担が増大し、財政を圧迫することが懸念される」「特例債の活 用により新たな行財政負担が生じざるをえない」深刻な状況も生まれます。
 合併になれば不要不急・ムダな公共事業が一層ふえ、その結果、住民サービスの低 下、財政の悪化がもたらされます。
 尚、メリットでさかんに強調される広域化の利点については、別に合併しなくても 行政努力で今でも充分可能なことばかりです。

3,民主主義の問題(十分な判断材料を提供すること)がとくに重要。

 民主主義という問題でいえば、例えば「町村合併」とは、住民生活に大変関係の深 いことであることから、十分な資料を住民側に提供して、そして判断できるような状 況の中で論議を進める、これが非常に大事であります。何度も、もし合併しなかった らどうなるのか、合併せずにやる道はあるのか、どういうそのための検討がされたの か、ほとんど聞こえてきません。そして合併したら、じゃあ、どうなるのか、合併し て明らかに変っていくこととは、人口が変り、行政区域が広がります。そういう場合、 果たしてやっていけるのかどうか、財政的にはどうか、これも正確かつ長期的なシュ ミレーションは出てきませんでした。合併にともなう特例期間の15年間のみ。それ も、3町でも数字を2町に直しただけ。町民生活が、このことによって、あるいは市 になれば市民の生活がどうなっていくかということがなかなか掴めない、理解も進ま ず、短期間に拙速に住民投票に打って出た行政当局のやり方に、民主主義が貫かれて いるとはとうてい言い難いと考える。

 以上のことから、たとえ、9/14住民投票の結果、賛成多数であったとしても、 法定協議会の設置に関しては、合併の可否も含めて協議する場とはいえ、合併するこ とを前提とした性格を柱とする「法定協議会の設置」条例案にはあくまで反対を貫く ことこそが、共産党としては、スジの通った対応ではなかったのか。疑問の念を抱か ざるを得ない。