「消費税大増税でえられる老後の安心なんてあるんでしょうか」「ゼネコン奉仕の巨大公共事業、大銀行に何兆円もつぎ込む金融政策など、税金を使う方向が違いすぎます」「イラクへの派兵は、イラクの人々も、自衛隊員の命もふみにじります」「アメリカ政府言いなりで、二つ返事でお金も兵隊も出すのではなく、自分たちの頭で考え、本当に平和な世の中をつくる政治にかえましょう」
・・・今度の選挙で(もちろんその前からも含めて)、どれだけ駅頭で訴え、ビラをまき、訪問・電話対話してきたことでしょうか。しかし、この声は多くの選挙民には届きませんでした。
「政権選択選挙」「マニフェスト選挙」という、マスコミの総力を挙げたとしか思えない一方的な報道の洪水の中で、私たちの主張はかき消されてしまいました。
「小泉構造改革とは何だったのか」今、そのことを問わずして、政治の方向を切りかえることはできません。そしてこの間、私たちの生活はどうなったのかも。
私の知る限り、そのような視点での報道はほとんど見受けられませんでした。
政権選択、マニフェスト・・・異様な空気がまったくの短期間で一挙につくられ、そのまま投票日になだれこんでしまいました。今度の選挙での社民党、保坂氏の言葉。「小選挙区制、二大政党という抗しがたい嵐に流されてしまった」「これは努力や戦術でカバーできるものじゃない」・・・他党の人の言葉とはいえ、同感です。小選挙区では共産党の得た483万7千票はすべて死に票でした。
もちろん、すべてをマスコミや選挙制度のせいにするつもりはありません。私たちの側も、その訴え方、旧態依然の選挙戦術(対話に追いつかないぼう大なビラまき、とにかく数をこなす電話かけ、または棄権防止などなど・・・)にも非はあります。その総括もきちんとすべきでしょう。しかし、今回の選挙はあまりにもマスコミの報道が一方的すぎました。
すべての中身を見たわけではありませんが、テレビの番組表を見ただけで「政権交代成るか?」とか、「二大政党対決」とかのあまりにも、あまりにもあからさまな、マスコミの一体化した報道に怖ささえ感じました。朝日新聞も、「小泉氏の自民党と菅氏の民主党のどちらの政権を望みますか?」なんて選択肢が2つしかない「世論調査」をくり返していましたね。
数ヶ月(ほとんどひと月)で、こうした「雰囲気」をたちまち醸成してしまうマスコミの恐ろしさ、次は憲法改定へと向けられるのでしょう。そうなったらたちまちのうちに、今でさえ瀕死の平和憲法は殺され、日本はアメリカ帝国主義の手下の帝国主義国として、国内では民主主義を圧殺し、国外では覇権を唱える世界でも最悪の国家の一つとなってしまうでしょう。
21世紀を決定づける選挙でのあまりの敗北に、恥ずかしながら私は今、体の力が本当に入らない、半分抜け殻のような状態ですが、憲法をめぐる、来たるべき一大決戦に備えて、今の世の中のつくられてしまった「流れ」に抗っていこうと思っています。