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党員用討論欄

―角田さんへ―

2003/11/17 愚等虫、40代

前略
 九官鳥さんの投稿に対するご意見を拝読させて頂きました。
 ご意見の内容は、至極、「正論」であると思います。
 私も、民主主義の根幹である、選挙において、選挙の自由がこれまで不当に制限さ れてきたことを、憤る一人です。

 戸別訪問の禁止条項も、最高裁で、合憲とされたまま、確か、前回の参議院選挙の 際にも、不当な逮捕がなされていた様に思います。
 かのアメリカ国においては、建国以来、一人一人に呼び掛ける事は、市民としての 当然の権利であったし、また、自分の意見を、発表する事は、褒め称えられる事では あっても、決して否定的に捉えられるものではありませんでした。
 そうした理念は、現代にも生き続けており、戸別訪問の自由は、選挙の自由を保障 する一手段として、今も盛んに行われているものであります。

 何でもアメリカ国にホイホイ付いて行くばかりの小泉さんは、民主主義の根幹に関 わるこのような事は、かの国を見習わず、「構造改革」しようとは致しません。病院 や学校等の施設付近での音量制限などは、当然ですが、できるかぎり自由・公正な選 挙運動ができるように、要求していきたいと思います。

 ところで、九官鳥さんが、どのような環境に居られるのか、文面からは判断できま せんが、彼の仰っている事は、今回の全選挙区擁立という選挙戦の意義に対する疑問 というのもあると思いますが、それよりも、もっと深いところにある疑問、不信とい うようなものがあるのではないかと、私は考えます。

 「ぼくら末端の人たちを何だと思っているのかな?」
という彼の言葉に、私は、深く感じ入るものがあります。
 中央は、この間、民主党相手の暫定政権構想から、日の丸・君が代に対する国旗・ 国歌化の水先案内人、天皇家賛美の賀詞決議、自衛隊活用論、財界に対するオベン チャラ発言、ピョンヤン宣言後の具体策不提示、筆坂氏セクハラ問題、飲酒禁止内規 問題、林紀子テロ特措法延長賛成等々、重大な方針変更・失態を演じながら、それに 対する十分な説明責任を果たさず、今回の総選挙を含めると、4連敗という事態に対 しても、何ら、責任を取ろうとする姿勢もありません。

 私個人の想いとしては、日の丸・君が代、国旗・国歌化先鞭発言の際に「国民的討 論を起こしましょう」という方針の下、「日本の隅々にまで、全戸配布を行います」 旨の不破氏の発言によって、およそ一千軒の全戸配布をやったことが、今でも忘れら れません。

 正直申し上げますと、確か、小雪交じりの天候の中、バイクに乗り、何日間かかけ て、あのビラを配っていたとき、「なんで、こんなビラを配らなきゃいけないんだ! !不破の馬鹿野郎ー!!」と叫びながら、走っていたことを思い出します。

 当然の如く、日の丸・君が代は、国旗・国歌法として、成立してしまいました。誰 が考えても、無謀な方針であり、そして、当然の結末でした。
 今から振り返ると、あの、「日本の隅々まで全戸配布する」という指令は、完璧 に、不破氏の発言にアリバイ・口実を持たせ、彼及び、中央幹部たちの免責を図る為 だったとしか、考えられません。

 そして、今、石原慎太郎の号令一下、都立学校の教職員たちは、処分という脅迫の 下に、思想信条の自由さえ、侵されようとしています。
 このような事態に至ることは、私のような末端の党員にさえ、考えられることでし た。
 にも拘わらず、不破中央は、わざわざ、自ら、国旗・国歌化を先導するが如き、犯 罪的行動を取ったことに対する責任に対して、何の弁明もありません。

 今回の総選挙においても、全選挙区擁立方針を立て、東京21区の川田悦子さん落 選という事態にさえ、手を貸すことになったことに対する事前、事後の、何の説明も ありません。

 「末端の党員のことを、どう考えているのか」という発言には、今回の選挙だけで はなく、この間、積もり積もった中央指導部に対する不信の念があると、少なくとも 私は、思うのです。

 そして、今、九官鳥さんは「疲れちゃったよ。しばらくお休みします。」と独白せ ざるを得ない状態になっています。

 私は、そのような状態の彼に、今、「正論」を語ったとして、はたして彼の心に届 くだろうか、聞く耳が持てるだろうか、と思います。
 皆、置かれた環境と条件が異なる中で、何がしかの貢献をしたいと思って、行動し ていると思います。

 九官鳥さんが投稿されたとき、私は、感ずるところはありましたが、私の経験か ら、今は、意見を述べずにおこうと思いました。
 私の場合、上にも述べましたように「日の丸・君が代」ビラ全戸配布時、不破中央 の方針と私自身の考えの余りにも大きな乖離から、心のバランスを失ってしまいまし たが、周りの党員たちは、いい意味で、放っておいてくれました。
 その後、それなりに立ち直ることができましたが、この間の中央の方針に対する不 信感、そして綱領改定案に対する不破報告による「天皇制は、君主制ではない」発言 と君主制廃止規定の削除方針は、今も、私の心に、ずしりと重い重石を抱かせたま ま、現在に至っております。

 党員の意識は、40万人いれば、40万通りの違いがあるでしょう。入党してみて 分かることもあるでしょうし、この間の様に、中央の方針が変わってしまう事もある でしょう。
 そのような中で、「疲れちゃった」彼、彼女に、「正論」ではあっても、「ピント がずれています」とずばり仰ることは、酷ではないだろうかと思います。

 私は、いわゆる「英雄的活動」を続けておられる先輩党員を知っています。
 彼は、インターネットをやっておられませんし、ここ「さざ波」の討論などを直接 ご存知ではありません。しかし、私が、たまに、プリントアウトして、見せることは ありますし、私が中央に批判的だという事も、知っておられます。
 彼は、決して中央盲従ではありません。自衛隊活用論や、君主制廃止削除に関して は、異議を唱えておられます。そして、尚且つ、極めて「原則的」に、中央の方針に したがって、活動されてきました。
 しかし、その彼でさえ、今回の選挙結果についての意見を求めたところ、「暫く選 挙のことは言うな。心の整理がつかない。」と言われました。
 末端で「英雄的に」活動されていた彼だからこそ、私などより、何倍もショックが 大きかったことと思います。

 九官鳥さんが、また、投稿されるまで、暫く、待ってあげることの方がよいのでは ないかと、私は、思います。

 不躾な投稿を、何卒、お許し下さい。

 早々