民主青年同盟(以下 民青)の中央委員会が開かれ、来年2月の全国大会(第31回大会)の召集と大会決意案が決定されました。運動の方向については大きな異論(一読しただけなので詳細な検討はこれから。)はないのですが、地区委員会再建の方針を強く打ち出していることところには疑問が残ります。なぜなら、地区委員会廃止されたときの理由とその後の実践について、なんらの検討や総括がされていないからです。
民青の地区委員会が廃止された理由は、地区委員会を構成する組織的な力量がなくなったためです。地区委員会を構成するために、班から人材を引き抜いていたため、肝心の班の活動が弱まるという問題が随所で見られ、その解決として地区を廃止し、地区役員を班に戻し、班活動の活性化をするという方針でした。
しかし、今の民青の組織実態は、この方針を総括もせずに逸脱しています。私の知っている民青の都道府県組織では、現勢の1割弱が都道府県役員に選出され、毎月その役員を集めた会議で月々の方針を決めています。同盟費納入口数を母数にすれば、その割合は3割以上になるでしょう。班に幹部を戻すという原点を忘れ、肥大化した指導機関を作っているのが今の民青の現状です。当然の帰結として、月々の都道府県委員の会議は成立するかどうかの出席率になっています。
今回の方針では、このような実態にはなんら総括も分析もなく、『「民青同盟を大きくしてから地区委員会を再建する」という発想を転換して、「地区委員会をつくって、民青同盟を大きくしていく」』(中央常任委員会報告)という提起をしています。中央がここまで踏み込んだ提起をすると、それぞれの地域の実情を無視して、強引な地区委員会再建が全国各地で行われることを危惧します。地区委員会の再建を提起するのであれば、今の組織実態について検討し、もっと合理的な機構ができないかを考えるのが先ではないかと思います。その結論が、地区委員会再建ということであれば方針に団結できるとは思いますが、そのなくして地区委員会再建をしても現場に困難と矛盾が起こるだけのような気がしてなりません。