とうとう、日本は正真正銘の戦争を決定・実行する。
12/27付しんぶん赤旗の主張を紹介する。
怒りと抵抗の渦中へ
--米占領軍に対するイラク国民の反発と抵抗は広がり、掃討作戦と称して罪のな い住民の殺傷・拘束を繰り返している米軍は、さらに激しい憎悪を呼び起こしていま す。
米英占領支配を支援する自衛隊は、占領軍の一部になります。攻撃の対象になるの は必至です。
だからこそ、小泉首相も「安全でない」「危険を伴う任務」といわざるをえないの です。
自衛隊が無反動砲や対戦車弾などで重武装するのも、武力を行使しイラク国民を殺 傷することになる場合を想定しているからです。
公明党の神崎代表が、わずか三時間半の「サマワ視察」で”安全宣言”のお墨付き をあたえ、派兵を加速させている責任は極めて重大です。
自衛隊は、迫撃砲などの重火器で武装した米軍の輸送もします。米軍の戦争への参 戦そのものです。
--ヨルダンの有力紙が自衛隊派兵を批判し「なぜ日本は侵略と占領の側に身を置 き、イラクやアラブ、イスラム世界における自らの名声を傷つけるのか」と指摘する 通りです。
=歴史の重大な岐路に=
いま日本は、とりかえしのつかない災いをもたらす最悪の道を突っ走るのか、それ とも小泉内閣の暴走をくいとめるのか、歴史の重大な岐路にたっています。
イラクの復興のためには、米英軍の占領支配を早く終わらせ、国連主導の枠組みに 切り替える必要がことは誰が見ても明らかです。
さて、良識あるみなさんは、この主張に、違和をもたれる方はそういないとおもい
ます。私も他紙にくらべて、もっともまっとうなものであるとおもいます。
ですが、「イラクの抵抗と怒りの渦中へ」平和憲法をもつ日本が軍隊を派遣するこ
とになったのは、ほかでもない日本国民が民主的な選挙で選んだ方の意思ではないで
しょうか。9割の国会議員が有事法案を決定し、戦争法をつぎつぎ、実効することに
お墨付きを与え、共産党自身、選挙敗北という成果で、戦争加担しているのです。
たかだか7000人の日比谷野音での集会でも、あまたのイラク人殺しのいま、あ
まりにも、取り組みが遅いではないですか。
共産党の動員力をもってすれば、10万、20万は容易でしょう。仮に10万の党
員が、自発的な反戦派であるなら、100万の動員ぐらい、カルイことです。結局、
このさざ波にも、延々と繰り返すゆでがえる論が絶えませんが、今ある現実を、根源
を考えることがいかに困難であるか、共産党という組織から自立した自分の頭で思考
するという訓練が、いかになされていないかということだと思います。
「国連主導の枠組み」を言う前に、国連がありながら、どうして、イラク戦争がと
められなかったのか、いまなお、世界の声が後押していながら、むごい占領戦争が続
行されているのか、ここのところを共産党は直視するべきではないでしょうか。
アフガニスタン攻撃では、その武力行使をしぶしぶ認めた共産党です。国連の枠組
みなら「殺しもテロ掃討戦争」も大賛成だった共産党です。そして今、国連の主導の
下、アフガニスタンは、カブールという傀儡政権国家で、蛮行に継ぐ蛮行がくりひろ
げられています。2%以下の傀儡国民はもとより、98%のアフガニスタン民衆は、
それこそ、怒りと抵抗の渦中のなか、タリバン政権以前の内紛泥沼戦争になっていま
す。国連というお墨付きを与えられ、多額の金をせしめたカルザイ政権は、相変わら
ず、不安定な政権です。
形さえ整えばよいというものではないはずです。国の処刑なら、冤罪であろうがな
んであろうがいいというものではないはずです。個人であれ、国家であれ、組織であ
れ、その行いは、真にヒューマニズム精神にてらしてどうか、問われねばならないと
おもいます。
国連主導をいうなら、米国の蛮行をしぶしぶ容認している今の国連も、見方を変え
れば、国連主導といえるのです。
私は、国連の前に、今の蛮行戦争を繰り広げる米英の糾弾を、北朝鮮の核、リビア、
シリアの核を言う前に、イスラエル・アメリカの核査察を国連主導で実効せよといい
たい。こうした視点がない不毛の議論は、エンドレステープと同じです。
北朝鮮問題も、テロリズム論も同じこと。新聞赤旗(風・文化欄)でも、一歩前進
のものがみられるようになったが、全体を通じて、まだまだ、その軟なところが気に
なります。
十分に知識・思考力があってもいいはずの人間が、10年一日のごとく、カビの生
えた固着した思考にからめとられているのを拝見すると、暗澹たる思いに駆られます。
同時に、「戦争もやむなし」と思えます。人間はどうやら、ある時期から後退する傾
向に陥るのかもしれません。戦争状況は正気の人間をはじきます。99%が狂気に染
まろうとしている今、せめて、このさざ波に集う人の中から抗う人が続いて欲しいと
おもいます。