この討論欄で、二人の方が党の高齢化・次代の問題を取りあげています。実際に青年・学生党員だった頃からこの問題に強い関心を抱いてきた者として問題提起します。
先の投稿者である「山本」さんや「やまもと」さんの意見では、ベテラン党員や民主団体が青年党員のことを考え、位置付けを見直すべきだということです。これをより具体的に言えば、党や民主団体が、勢力拡大や選挙を闘うのと同じくらいに明確な具体的方針をたてて青年の中に入って組織する、また組織した青年の自主性を尊重する、ということでしょう。
まず、青年党員の活動の改善や自主性の尊重の問題では、すでに80年代から中央も含む各級党組織なや民青同盟でも意識的に問題にされ、実務レベルや組織運営上の対策が行われているという事実をどう考えるか、という問題があります。20年間も同じ意見がだされているのはなぜでしょうか。
もちろん、この20年間の間にも若い党員を増やして活力ある党活動を行っている支部はいくつもあります。『しんぶん赤旗』や党大会で報告されてきたそれらの支部に共通しているのは、支部党員たちが自分たちの頭で考え、自主的に運動・活動しているという点です。中央委員会自身もそのことははっきり理解しており、これまでにも「支部が主役」の党活動とハッパをかけてきました。それでも、なかなか改善されないのはなぜか? このように問題を立てることによって、その答えも見えてくるのではないでしょうか。
それは、70年代初めの「新日和見主義」潮流の党内「弾圧」、その後も中間指導機関の廃止や大所帯支部の分割といった党中央による一貫した組織改変(中央の指導を末端まで貫徹することが目的であると思われる)によって、支部レベルでの活力や自主性が損なわれてきたことと関係がありそうです。
もう一つの青年の組織化問題では、上記の対策の結果、逆に党や民主団体が組織をあげて青年を組織するという活動に及び腰になっているということもあるように思われます。これは、「山本」さんや「やまもと」さん、私のような比較的若い党員が率先して、ベテラン党員と協力して進めなければならない問題です。その場合、現在の(選挙)地域割の支部構成が障害になるかもしれません。より柔軟な支部横断的取り組みが必要となるでしょう。上述の組織改変を進めてきた党中央がそれを進めることができるでしょうか?
最後に、忘れてはならない問題があります。それは、青年の保守化と見られる客観的情勢であり、これは日本共産党だけに限らず左翼全体の問題でもあります。西欧との比較でいえば、同じような70年代前後の青年・学生運動の高揚を経験したあと、西欧では社民政権下で、体制や左翼政党への急進的学生が取り込まれ、青年たちの活躍の場が提供されているようにみえるのに対し、日本では革新自治体の経験はあったものの、青年たちは個性を殺してじっとがまんしなければ認めてもらえない日本の組織に魅力をみいだしていないとみえます。この解明は是非とも知識人党員の方に考えていただきたい問題です。