わが党は、今回のいっせい地方選の後半戦においても、全国的に前回のいっせい地方選のときよりも議席を増大させ、「躍進」をマスコミに印象づけた。しかし、よくよく各市町村での得票や議席の増減を見てみると、必ずしもそうは言えないように思われる。
たしかに、4年前のいっせい地方選挙と比べるなら、全体として得票は2~3割増大させ、多くの取りこぼしや現職落選などの事態も多かったにもかかわらず、全体としては議席を伸ばした。しかし、それはあくまでも4年前の状況と比べての話しである。4年前といえば、まだ共産党の躍進傾向が現れるか現れないかの時期であり、この時点から前進しているのはある意味で当然とも言える。問題は、98年の参院選挙や96年の衆院選など、共産党の躍進がはっきりと示された選挙と比べてさらに票を上積みさせることができたのかどうかである。もしそれができているなら、共産党の躍進傾向は一貫して現在も続いているということになる。
私は全面的な資料を持っていないので、私の住む市での選挙結果を見てみたいと思う。今回の後半戦で、わが市の共産党候補者は全員で約6600票獲得した。前回のいっせい地方選挙では約5300票だから、1300票の増大である。しかし、96年の衆院選比例区では約8000票、98年の参院比例区では約9000票であった。つまり、今回の得票は、95年の時点から見れば前進であるが、去年の参院比例区での得票から見ると2400票の減少であり、3年前の衆院比例区での得票水準から見ても、1400票の減少なのである。
ただし、全国規模の党名選挙と違って、地方選のような、地域に密着した個人名選挙では、おうおうにして、地縁なり親類縁者関係といった個人的要素が大きな役割を果たすので、実際の実力よりも低く出るの可能性がある。その証拠に、たとえば、東京都の市部と町村部でのそれぞれの得票数を比較すると、市部のほうが共産党の得票数は比較的好調で、村部の方が得票の停滞ないし後退が目立つ。
しかし、その点を考慮に入れてもやはり、今回の後半戦の結果を躍進傾向の持続と見るのは難しいのではなかろうか。みなさんの住む市町村ではどうでしたか? ぜひ教えてください。