『さざ波通信』の「トピックス」によると、千駄ヶ谷にある共産党の本部ビルが新しい本部ビルに建てかえられるとのこと。地上11階、地下2階で、総工費は85億円、そのうち25億円は個人からの募金でまかなうらしい。
『しんぶん赤旗』に、その予想完成図が掲載されていましたが、そうとう立派な外観であり、まさにそびえ立つという感じがします。
党員としては歓迎すべきなのかもしれませんが、なぜこの時期に、という疑問も一方では沸いてきます。世間では不況の嵐が吹き、大掛かりな箱もの公共事業に対する批判がうずまいているというのに、85億円もかけて共産党の新本部ビルを建設するというのは、どうなのでしょうか? 予定総工費が85億円だとしても、工事しているうちに工事費が増大するのは世の常。また、25億円を個人からの募金でまかなうといいますが、それだけ集まらなかったらどうするのでしょう?
来年中にも総選挙が実施されることが予想されており、出費がかさむことは確実。もちろん、今回の工事に関しては積み立て金があったのでしょうが、それでも財政事情に大きな変化が生じないとも限りません。議席は伸びていますが、党勢はほとんど伸びていません。党員構成の高齢化は、一時的には党費収入の増大をもたらしますが(日本は年功賃金だから)、やがては年金生活者がどっと増えて、党費収入を大きく減らすでしょう。『しんぶん赤旗』の配達体制にも深刻な危機が生じるかもしれません。また、現在の不況下で失業者となる党員や、私のように常勤職に就けない党員も確実に増えるでしょう。たとえ景気が回復しても、新自由主義的資本主義のもとでは、確実に不安定雇用が増えます。
そういうさまざまなことを考えると、5年間かけて85億円も出費することになる新本部ビルの建設には、いろいろと不安が残ります。みなさんはどう考えますか?