10月9日付雑録を拝見しました。
東ティモールでの武装民兵による残虐行為およびそれを防止する多国籍軍の行為は、戦争行為でもなければ憲法で言うところの国際紛争の解決手段でもありません。もしそれが戦争行為なのであれば、わが国で同様の行為が行なわれた場合、それを防ぐ手段をわが国は憲法上持ち合わせていないことになります。
多国籍軍による治安回復行為が戦争行動でないのは明白であり、明確な戦争行動である湾岸戦争の場合とは明らかに異質なものです。湾岸戦争の場合を例にとっての今回の財政支援批判は的外れなものです。
したがって、今回の多国籍軍への財政支援は戦費、すなわち戦争に要する費用とは言えず、何ら憲法9条に抵触することもなければ、湾岸戦争時の党の見解とも矛盾はないと思います。
仮にオーストリア軍派遣の理由が人道上以外の意図にあったとしても、それが人道的効果を生みだす行為なのであれば、非人道的結末に至る人道的意図よりはるかにましなはずです。この場合の人道的効果とは、罪なき人々が「殺されない」ことであり、非人道的結末とは罪なき人々が「虐殺」されることです。その行為(豪州軍派遣)がいかなる政治的時間的文脈の中にあるとしても、後者より前者の選択の方が是であり、人道的行為であることは言うまでもありません。
「東ティモールでの虐殺をやめさせることは、それ自体としては肯定的に評価されるべきこと」であるのに、肯定的に評価されるべき行為を支援することを否定する行為は、憲法云々以前の大いなる矛盾です。それとも、憲法9条は「肯定的に評価される行為」を否定する憲法なのでしょうか?
フンコロガシさん、ご投稿ありがとうございます。東ティモール問題については、左翼の間でも意見が割れている非常に難しい問題でもありますので、別途、レスさせていただきます。(編集部)