フンコロガシさんのご意見をめぐるやりとりを興味をもってみてきました。10月19日のフンコロガシさんの意見について簡単ですが感想を述べさせてください。
1、戦争と治安回復行動の分離?
戦争と治安回復行為、これらの境目が明確に分離できないとしたら、大変な事になってしまいます。もし我が国で何らかの武装組織が東ティモールのような虐殺行為を起こしたとしたら、これを制圧する行為は戦争行為となりかねず、戦争を禁止した憲法に違反し、これを阻止する事はできない事になります(もっとも、憲法は国内での戦争は放棄していないと言うのでもあれば話は別ですが・・・)。
まず、この部分についてです。戦争と治安回復行為はフンコロガシさんのおっしゃる通り、明確に分離できるものかもしれません。しかし、憲法9条にはこうあります。
国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
つまり憲法9条は、戦争であろうがなかろうが、国際紛争において、武力による威嚇または武力行使を永久に放棄しているということです。私はこの点から、資金援助は憲法違反であると考えています。フンコロガシさんの場合は、治安回復行為が「戦争行為でない」とは言っていますが、「武力による威嚇または武力行使」でないとまでは主張されていませんね。ここのところは、どうお考えなのでしょうか?
どうみても憲法違反だと思うのですが、もし憲法違反であれば、やはり資金援助に支持するわけにはいかないでしょう。人道上の問題についてのフンコロガシさんのご意見も非常によくわかりますが、資金援助支持=人道的対処という単純な図式で考えられる問題でもないと思います。
2、必要なことは国際世論・運動による東チモールへの援助
私もその軍国主義的意図の存在を否定するつもりはありません。しかし今回の派遣がそうした軍国主義的影響力を発揮できる内容のものであるのならば、その内容自体が問題なのです。言い方を変えれば、「派遣された部隊に、本来の目的(治安回復)以外の目的があったとしても、その活動が他の目的の達成に利用されうる内容の活動であってはならない」ということです。
フンコロガシさんのこのご意見はもっともです。資金援助に賛成するにせよ反対するにせよ、多国籍軍が本来の目的を果たすべきであるという点では党員であれば一致できると思います。そのためにも、国際世論・運動の力が発揮されるべきです。党中央の主張でも、「国際世論による監視」と言われているように、問題の解決が、東チモール人民の力とともに国際世論・運動の力にかかっていることは間違いありません。資金援助支持の問題は非常に重要なものですが、それについての議論とともに、憲法9条をもつ日本の人民が東チモールにどのような援助をなしえるのか、そういう議論も必要ではないでしょうか。すでに、草の根の支援・運動は行なわれていますから、それらをどう評価し、どうやって大きくしていくのか、共産党の役割はそこにもあるはずです。ぜひとも「しんぶん赤旗」でそういった運動を取りあげ、キャンペーンでも張ってほしいものです。